福島)表現の自由侵害否定 美味しんぼ注意問題 福島大 via 朝日新聞

漫画「美味しんぼ」に描かれた福島大准教授の発言を受け、大学側が見解で「遺憾」を示して「注意喚起」を求めたのは、学問や表現の自由の侵害ではないか。中井勝己学長は14日の定例記者会見で「見解は表現の自由に踏み込んでいない」と述べ、こうした懸念を否定した。だが教員からは疑問の声もあがる。

発言が載ったのは週刊ビッグコミックスピリッツの12日発売号。准教授が除染作業の経験を説明し、「福島を広域に除染して人が住めるようにするなんて、できないと私は思います」と主人公らに話す。学長や理事、副学長は同日午後に対応を話し合い、大学の見解を地元報道機関にファクスで送った。

中井学長は会見で、「遺憾」としたのは准教授の発言内容ではない、と説明。先月28日号に掲載された井戸川克隆・前双葉町長の鼻血をめぐる発言に対し、町が抗議文を出す騒ぎが起きていたことを踏まえ、「今回の脈絡の中で漫画に登場し、発言によっていろんな混乱をもたらしたことに対して、大学として遺憾の意を表明した」と述べた。

大学によると、准教授は一連の発言を原作者らに述べたのは事実だと話しているという。大学への問い合わせは13日夜までに計25件あったとしたが、賛否など内容の内訳は明らかにしなかった。

一方、全教職員には14日朝初めて、大学からメールで見解が送られた。経済経営学類の教授は「学問の自由を守るうえで出してはいけない文書だった」と批判した。共生システム理工学類の准教授は「大学は違う立場の人が互いの意見を認め、議論する場。『注意喚起』は、その存在意義を自ら放棄しているようなものだ」と指摘する。

[…]

■会見の主なやりとり

中井勝己・福島大学長の14日の記者会見での主なやりとりは次の通り。

――なぜ見解を出したのか

個人の意見であり、大学の見解ではないということをきちっと伝えたかった。

――教職員に注意喚起までした理由は

福島大は3年間、震災復興に関わっている。被災地にある大学の教員が作品に登場し、(福島に住めないと)発言をしたのは非常に残念だ。県外の専門家(の発言)とは意味が違う。

――中身が不適切と考えているのか

大学では、放射能について色々な考え方を尊重しており、准教授の発言も是としている。ただ、前号の美味しんぼで、双葉町が抗議文を出している中、准教授が登場したことで社会的混乱をもたらし、報道されて騒ぎになったことが遺憾。時と場合、事柄によっては、大学の地位や肩書で発言することの重みを自覚して欲しい。

――大学としては、どうすればよかったと考えているのか

(掲載の時期や方法についての責任は)一義的には作者や出版者であり、准教授に責任があるとは言っていない。

――批判的意見を制限し、言論の自由を妨げているようにみえる

教員の個人的な見解に大学がコメントするのは、学問や表現の自由に触れると認識している。今回の大学見解は、そこまで踏み込んでいないと思っている。

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