「ここで料理を作ることが使命だ」 Jビレッジ料理長、西芳照さん via msn.産経ニュース

 プロサッカーリーグのJ1が2日、開幕した。J1戦士らが“聖地”としているのは、福島県楢葉町と広野町にまたがる日本サッカー界初のスポーツ総 合施設「Jヴィレッジ」。東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の影響で、再開のめどは立たず、今は事故対応と復興の拠点になっている。

施設内のレストラン「ハーフタイム」。約20キロ離れた原発の除染作業から、昼食のため戻ってきた作業員がヘルメットや着替えを入れた紙袋を手に列を作る。

「時間がないんだ。早くしろ」「こっちが先だ」。厨房では午前11時の開店直後から、料理長の西芳照さん(51)の檄(げき)が飛び、スタッフが動き回 る。事故前と同じ緊迫した昼時の雰囲気。しかし、客はJリーガーらから原発作業員に変わった。客席のガラス越しに見える風景も一変した。

(略)

「福島のために、何かできないのか」。原発作業員になろうとも考えた。悩んだ末に出した結論は、やはり料理を作ることだった。

「過酷な労働環境にいながら仮設住宅で毎日冷えた弁当を食べる作業員に、温かい料理を出したい」

一昨年10月、会社を設立し、ハーフタイムを再開。原発関連企業が対策本部を置く近くの総合公園内に別の新しいレストランを開店した。

「日本代表でもここでもやることは同じ。違いがあるとすれば、材料くらい」

両店には、日本代表にふるまってきた料理と同じレシピのメニューも並ぶ。ただ、ともに採算が取れているわけではない。

再開当初、ハーフタイムは昼食時になると作業員ら約200人が訪れた。だが、今はその勢いは陰り、来客数は半分以下になった。作業員自身の除染場所がJ ヴィレッジ内から原発敷地内に移りつつあるためだ。今年6月には完全移行する計画だ。今月のワールドカップ最終予選で日本代表に帯同して得る収入も、すべ てレストラン経営に回し、損失を補填しようと考えている。

一方で、公園内のレストランには、震災後に避難していたなじみの客が戻ってき た。帯同したロンドン五輪代表メンバーから送られたメッセージ入りのユニホームが飾ってある出入り口で、帰り際に「相変わらずおいしいね」とこぼれる客の 笑顔。2年前より前に進めている気がしている。

全文は「ここで料理を作ることが使命だ」 Jビレッジ料理長、西芳照さん

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