東京電力福島第1原子力発電所事故で被ばく被害を受けたとして、東電幹部らを業務上過失致死傷容疑などで告訴した「福島原発告訴団」には県内から 214人が参加した。告訴人募集の窓口役となった那珂市、主婦、谷田部裕子さん(55)は、15日の福島地検に対する告訴状提出に参加。告訴の意義を「国 を皆で良いものにしようとすること」と語った。
「東電と国を起訴してください」。同日正午、福島市保健福祉センター前から告訴団約160人が福島地検に向けてシュプレヒコールをあげながら行進。谷田部さんは「原発事故の責任をただす」と書かれた垂れ幕を掲げながら声を上げた。
谷田部さんの自宅は、核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所から約2キロの場所にある。99年の臨界事故当時、中学2年だった長女は下校する際に雨に降られた。「私の責任」と自分を責め、全国でJCO臨界事故を風化させないために講演活動などを続けた。
JCO事故では、JCOと同社の元幹部ら6人が業務上過失致死罪などに問われ、刑事裁判で有罪判決が確 定したが、原子力事業者の安全管理責任を厳しく問う半面、国の監督責任には踏み込まなかった。谷田部さんは「あの時、国の責任追及ができていれば、福島事 故も違っていたのでは」と悔しがる。
♢ 当サイト既出関連記事: