【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員 会は4日、原発の安全評価(ストレステスト)で、稼働中の134基の原発すべてに欠陥が見つかり、改善費用が計最大250億ユーロ(約2兆5000億円) との最終報告を正式に発表した。多数の欠陥を指摘した背景にはテストが「原発を閉鎖すべきか」の判定より「改善点を指摘する」という提案型に変質した事情 がある。多くの課題を解決するためテストは事実上、仕切り直しとなり、数年間継続する。
テストは東京電力福島第1原発事故を受けて昨年6月に開始。当初の焦点は原発が「福島並みの事故に耐えられるか」に置かれ、原発を運営する側の各国政府はテストを原発の安全性を確認するための「お墨付き」の位置付けにしようとした。
事情を変えたのは今年1〜4月、他国の専門家が原発を訪問したり、書類を審査してテストの内容を評価す る「安全性相互評価(ピアレビュー)」だ。耐性検査はそれまで各国規制当局が独自の基準や手法で行ってきたが、国際基準や他国の先進的な尺度が持ち込ま れ、多数の欠陥があぶり出された。「地震・洪水の耐性に証拠がない(英)」など重大な結果も多く、「お墨付き」にはならず、改善要求に変質した。
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