国策の影:翻弄される福島、水俣、沖縄 via 熊本日日新聞・沖縄タイムス

(前略)

国策である原発を受け入れてきた各地域は今、政府と電力各社の動きに振り回されている。
それは、国の手厚い保護を受けたチッソが起こした水俣病の悲劇を抱える不知火海沿岸地域や日本の国策としての米軍基地を押しつけられてきた沖縄の困難とダブって見える。福島と同じく国策に翻弄された地域で起きたからだ
水俣病を取材してきた熊本日々新聞と、基地問題を見据えてきた沖縄タイムスの合同で国策と地方の関係に迫る。

(中略)

チッソの社員は「会社行きさん」とあこがれの対象で、水俣とチッソは「血のつながりにも似た交情を深めた」と市史はつづる。
1959年、企業城下町を象徴する出来事があった。当時の熊日によると、水俣病の原因を工場排水と考えた漁民らがチッソに排水停止を迫り、おおきな騒ぎになっていた。即座に水俣市長、市議会、商工会議所、労働組合など「オール水俣」ともいうべき28団体が熊本知事に陳情した。漁民とは逆に「市税総額1億8000万円の半分をチッソに依存している。排水を止めてくれるな。」と言う要望。地域が患者や漁民を包囲する構造がここにはあった。
福島原発のある双葉町の住民約800人が避難するホテル。「町民の3分の1は東電と関連会社に勤めている。東電や原発の悪口など言えるはずはなかった。」
実際、町議会議長経験者は、「東電を批判するものがいれば、私が許さなかった」と自戒を込めて明かした。企業城下町でもののいえない雰囲気が作られていった点でも、水俣と福島は共通している。

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