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Tag Archives: 被曝
被ばく 体内に総量36万ベクレルか 原子力機構事故 via 毎日新聞
日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくした事故で、肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出された50代の男性職員について、同機構が男性の体内に取り込まれた放射性物質の総量を36万ベクレルと推定していることが8日、分かった。同機構などはさらに詳細な被ばく状況を調べている。 原子力機構によると、男性職員の肺の被ばく値から、血液や骨、臓器など体全体に取り込まれた放射性物資の総量を算出し、36万ベクレルと推定した。この数値は1年間で1.2シーベルト、50年間で12シーベルトの内部被ばくを見込む根拠になったという。 5人は燃料研究棟の分析室で核物質の点検中、ステンレス製容器を開けた際に中に入っていたビニール袋が破裂し、粉末状の放射性物質が飛散。男性職員を含めて4人が放射性物質であるプルトニウム239やアメリシウム241を肺に吸い込み内部被ばくした。破裂した原因はわかっていない。 5人は搬送された放射線医学総合研究所(千葉市)で放射性物質の排出を促す薬剤投与などの治療を受けているが、現時点で体調不良などの訴えはないという。原子力機構などは詳しい内部被ばく状況や健康影響などを調べている。【鈴木理之】 […] もっと読む。
Forest fire in the exclusion zone in Fukushima: Why monitoring the radiation dose is not enough for radioprotection (放射線から身を守るためには、空間線量率と汚染の両方を考慮にいれなければなりません) via Fukushima 311 Voices
[…] Meanwhile, surfing on the internet, we have noticed that many people were looking for radiation dose information, and relied on it for radioprotection. 5月6日、浪江町の山林火災の鎮圧のお知らせが出ましたが、5月7日、鎮火のお知らせはまだ出ていません。この間、ネット上での反応を見ると、放射線防護の目的のために多くの方々が空間線量率の情報を検索しておられるのが見受けられました。しかし、空間線量率だけを見ていては、特に今回の火災のような場合には、放射能防護には重要な不備があります。 Since we also received several questions and comments, we have decided to publish additional comments … Continue reading
福島第1原発にて=須山勉 via毎日新聞
福島第1原発2号機の原子炉格納容器内で9日、過去最高となる毎時650シーベルト(推定)の放射線が観測された。 […] たまたま私もこの日、日本記者クラブの視察団の一員として同原発にいた。東京電力の案内で、主に移動するバス内からメルトダウン(炉心溶融)した1~3号機などを見た。1号機まで約80メートルしか離れていない高台でバスを降り、遠隔操作で進む廃炉作業を10分余り直視する機会もあった。 […] 視察後、被ばくした放射線量を測ってもらうと0・03ミリシーベルト。ちなみに、胸部X線の集団検診を1回受けると0・06ミリシーベルト程度とされる。帰ってから知人や家族にこの話をすると、一様に「えっ、そんな軽装で大丈夫だったの?」と驚かれた。 どちらも同じ日の出来事だ。でも世間では「650シーベルト」の方が騒がれる。ただ考えてみれば、格納容器内の線量が高いのは当然だし、そこに人が立ち入るわけでもない。廃炉に向け日に約6000人が働く同原発の現状を理解するには、軽装化が進んだ実態ももっと知られていい、と感じた。 福島の子どもが避難先でいじめられるなど、原発事故で生じた偏見は根強く残る。「例えば『福島のコメは危ないの?』と子どもに問われた時、多くの大人は『データ上はこうだ』と答えられない。そんな現状を変えない限り、偏見は残り続ける」。福島出身の社会学者、開沼博さんは指摘する。福島の「いま」に目を向け、古い認識を更新する姿勢を忘れないようにしたい。(社会部編集委員) もっと読む。
核の傷痕 続・医師の診た記録/25 「御用学者」にがく然=広岩近広via 毎日新聞
原発の立地する地方自治体に巨額の交付金を出す制度が電源開発促進税法などの「電源三法」である。1974年10月に施行され、財源の乏しい地方自治体は交付金を目当てに原発を受け入れてきた。 「電源三法」が施行される7カ月前、日本原子力発電敦賀原発で作業した岩佐嘉寿幸(かずゆき)さんは、大阪大学付属病院で被ばくによる「放射線皮膚炎」と診断された。原発建設にやっきの政府が反発してきたため、岩佐さんは原子力損害賠償法による責任追及を求めて、日本原子力発電を相手取り損害賠償請求訴訟を大阪地裁に起こした。わが国初の原発被ばく裁判「岩佐訴訟」だった。 提訴から7年に及んだ裁判の判決は81年3月にあり、大阪地裁は「障害を受ける線量を浴びていない」として、岩佐さんの請求を棄却した。大阪府松原市の阪南中央病院副院長の村田三郎さんはこう解説する。 「岩佐さんの外部被ばく線量は、公的記録では1ミリシーベルトとされています。確かに、この線量では放射線皮膚炎は起きません。しかし、作業現場の状況をつぶさに見れば、岩佐さんは局所的に放射線量の高い床面に接して、ベータ線熱傷を起こしたと考えられます。また岩佐さんが身につけていたポケット線量計は、ガンマ線しか拾えません。ベータ線は飛距離が短いので足元に線源があっても、被ばく線量として測定値が出ないのです。岩佐さんは局所の障害ですから、右脚の接した部分の線量は非常に高かったはずです。それなのに判決は、作業現場の放射線量は高くないと決めつけました」 この判決を受けて岩佐さんは「支援する会」の機関紙に、こう書き留めた。 <国民の信頼を絶対とする裁判所が、安全性を無視して原発推進を強行する自民党政府、原発独占企業に加担することは、原発の完全犯罪を許して、放射線下の非人間的な労働条件の中で働く労働者に生きる権利を放棄しろといっているに等しい。原発被曝(ひばく)労働者をボロ雑巾のように使い捨て、見殺しにして、又(また)もや日本には原発被曝労働者や原発病患者は一人もございませんと強行推進に一役買ったことが許せない> […] 村田さんは「放射線皮膚炎」を否定して、血液の鉄分による「静脈瘤(りゅう)性症候群」と鑑定した「御用学者」にがく然とする。そんな医師らのいる「大学医学部の科学の論理」に疑問をいだき、村田さんは市民のための内科医に徹すべく、78年に阪南中央病院に移った。 この病院で岩佐さんが77歳の生涯を終えたのは、2000年10月11日だった。村田さんは、岩佐さんの次の言葉を胸に刻んでいる。 「私の闘いは、人類との共存を許さない核との闘いであり、私の背後には大勢の被ばく作業員がいる」(次回は12日に掲載) もっと読む。
ビキニ国賠訴訟 事実隠した政府の責任は重大viaしんぶん赤旗
アメリカが1954年に太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁でおこなった水爆実験で被災した日本のマグロ漁船の元乗組員や遺族ら45人が、国を相手に国家賠償を求める訴訟を高知地裁に起こしました。被災から62年、被ばくの実態を隠し、乗組員の健康被害を放置し続けた日本政府の責任と違法性を初めて問う裁判です。 日米「政治決着」が根源に 「ビキニ被災」といえば、第五福竜丸と、亡くなった同船無線長の久保山愛吉さんが知られていますが、同じように放射能で汚染された海域で操業し、取れた魚を食べ、放射能の混ざった雨水をシャワーがわりにした日本人乗組員が数多くいました。そのなかには40~50代の働き盛りで亡くなった漁民も少なくありません。 […] 日本共産党の山原健二郎衆院議員(当時)は86年3月の国会質問で、ビキニ被災状況の調査と政府保有資料の開示を求めましたが、政府側は「資料はない」「第五福竜丸以外の漁船については、その実態、数字についてはつかんでいない」の一点張りでした。ところが、アメリカが近年公開した文書の中にビキニ被ばく関係があることが判明、市民団体や日本共産党国会議員団の連携した追及で、厚生労働省も2014年にようやく文書を開示しました。 国会答弁とは正反対に膨大な資料が存在していたことは、開示を拒否し、事実を隠し続けた日本政府の不当な姿勢を浮き彫りにしています。 被災したマグロ漁船が多かった高知県を中心に埋もれていた事実を1980年代から掘り起こしてきた太平洋核被災支援センターの山下正寿事務局長(同県宿毛市)も原告に加わりました。「『ビキニに行った』と話す300人以上の漁民と接した。亡くなった人も多い。その怒り、家族の苦しみをぶつけたい」と山下氏は語ります。 […] もっと読む。
【復興の道標・不信の連鎖】除染基準「1ミリ」の誤解 建設的な議論できずvia福島民友
「何が何でも『1ミリシーベルト以下』『0.23マイクロシーベルト以下』にこだわる風潮ができてしまった」。放射線安全フォーラムの理事を務める放射線の専門家、多田順一郎(65)は、除染の目標を巡り、疑問を投げ掛ける。 長年、理化学研究所(理研)などで放射線管理の仕事に従事した多田は2011(平成23)年の原発事故発生を受け、とっさに「除染が必要だ」との思いがよぎった。事故直後から県内に入り、除染などの放射線対策にアドバイザーとして関与している。 多田は専門家として「原発事故前より線量が高くなったのは確かだが、そのことが必ずしも健康に影響があることを意味しない」ということを理解してほしいと、ずっと考えてきたが、県民にうまく伝える方法が見つからない。 本県復興の前提となる除染は、現在も県内で大規模に進められている。政府は、年間追加被ばく線量を1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)以下に下げることを「長期的な目標」に掲げている。この「年間1ミリシーベルト」から、生活パターンを想定して算出した1時間ごとの空間放射線量の推計値である「毎時0.23マイクロシーベルト」を、各自治体が除染を行うかどうかの基準に据えた。 放射線医学総合研究所(放医研)によると、原発事故の発生にかかわらず、自然から浴びる放射線による被ばく量は、日本国内で生活する人の平均で年間約2.1ミリシーベルトある。その一方で、政府が示した数値を被ばくについての「安全と危険の境目」と考える誤解が広がった。 […] 来年3月の避難指示解除を目指している飯舘村。村から避難し、福島市にある仮設住宅の自治会長を務める木幡一郎(79)は、除染で出た汚染土壌などを入れた黒い袋「フレコンバッグ」が、村の至る所で膨大に積み上げられていることを問題視する。「見ているだけで気が滅入(めい)ってしまう。村民が戻る前に、政府には全て片付けてほしい」 村内の線量については、冷静に受け止めている。「放射線をなくすことはできず、『放射線は少しでも害だ』と言っているだけでは何も進まない。正しく理解することが必要になる」(文中敬称略) もっと読む。
フクシマで考える(下) 私たちはどこへ向かうvia 東京新聞
中国の旧正月、春節を祝うギョーザが食卓に並んだ。雪が舞った二月、福島市内の仮設住宅に左官業の中野敏信さん(72)=写真=を訪ねた。四畳半二間。薄いサッシ窓が曇る。中国東北部出身の妻(49)が「今日は寒いね」と首をすくめた。 原発事故の前年に結婚した夫妻は敏信さんの郷里、浪江町で暮らしていた。だが事故で土地を追われ、一時は中国にも避難した。 二〇一七年三月までに、放射線量が高い「帰還困難区域」を除く全地域で避難指示の解除が計画されている。全町避難が続く浪江町も対象だが帰還希望者は少ない。 中野さんも、資材が置ける一戸建てを郷里に近い南相馬市やいわき市に考えているが、移住者が殺到し地価が跳ね上がった。手元資金では足りず、毎日早朝から約七十キロ離れた南相馬市の建設現場に通っていたが、三カ月前に足を痛めて働けなくなった。「原発事故がなければ、古い家でもそれなりに暮らせたのに。生活の立て直しはそんな簡単なものではねえな」 避難指示が解除されれば一年後には賠償も打ち切られる。解除の後も被ばくの影響を心配し、避難先に残る人々はすべて「自主避難者」となっていく。 福島県が自主避難を続ける人に行う住宅の無償提供は、一七年三月に打ち切られる予定だ。南相馬市から神奈川県に避難し、被害の完全賠償を求める集団訴訟で原告になった山田俊子さん(75)は言う。「私たちも本当は帰りたい。でも…。住まいという生活基盤を奪うのは、被ばくを避ける権利の侵害ではないでしょうか」 「避難の選択」は震災翌年に成立した子ども・被災者支援法で認められているが、政府は柱の政策を骨抜きにしようとする。 「俺たちはどこに向かっていくのか、羅針盤がほしい」と中野さんは言う。未曽有の原発災害を起こした責任は国と東電にある。その原点に返り、苦境に立つ避難者を切り捨てるようなことをせず、救済と、長くかかる生活再建を支えていくべきだ。 (佐藤直子) 原文はこちら。
Hot spots in the 5th Year over 20 μSvh in Fukushima City via D’un Renard
https://www.youtube.com/watch?v=r8HUyh-Zlyk
Posted in *English, *日本語
Tagged De/Contamination, hot spots, riverbeds, オーバーフロー, ホットスポット・ファインダー, ママレボ, 国土交通省, 河川敷, 福島市, 被曝
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(核の神話:13)従順な「原子力ムラ」なぜ生まれたかvia 朝日新聞
米メリーランド大教授、ケイト・ブラウンさん 昨年11月、ワシントンで開かれた米政府主催の「マンハッタン計画国立歴史公園」の専門家フォーラムに招かれました。米国人専門家ら約20人のほか、広島・長崎両市の代表も参加し、新たな国立歴史公園の展示内容などについて、内務省国立公園局やエネルギー省に意見を述べるものでした。 国立公園局は広島・長崎への原爆投下という「米国のタブー」にも踏み込もうとしているようですが、エネルギー省には軍や原子力産業の影がちらつきます。今回、国立公園に指定されたハンフォードなどマンハッタン計画の関連3施設を所有するエネルギー省としては「短期間で原爆を開発して第2次世界大戦を終わらせ、多くの米国人の命を救った」という栄光の歴史を後世に伝えたい。その後の放射能汚染という数十年にわたる「負の歴史」は省略したいというのが本音でしょう。 歴史を振り返ると、1930年代から40年代前半、マンハッタン計画が始まるころの米国の工場労働者らはストや暴動、飲酒、けんかが絶えませんでした。ハンフォードのプルトニウム生産を請け負ったデュポン社は、労働者の管理に非常に神経を使いました。原爆開発は秘密の国家プロジェクトです。その材料となるプルトニウムの生産にあたる工場労働者は、精神的に不安定な独身男性ではなく、妻と子どもがいる白人の核家族の男性がふさわしい、という結論に至りました。彼らは会社の方針に従順で、家族の生活を会社の給料に依存する。ハンフォード施設の労働者が暮らすリッチランドでは、国費で子育て支援や学校、商店、交通機関を充実させました。 […] さらに、ハンフォードとマヤ-クの現場を見て、奇妙な共通点が数多くあることにも気づきました。プルトニウム生産を加速するために放射性ヨウ素を詰め込んだ「グリーン燃料」を米国が製造すれば、ソ連も同じことをする。米国が放射性廃棄物を土の中や川へ捨てているなら、ソ連もそうする。お互いににらみあい、まねしていたのです。 旧ソ連と違って報道の自由がある米国では、1950年代に急転換がありました。戦後、マンハッタン計画を引き継いだ原子力委員会は放射線被曝(ひばく)そのものよりも、民衆のヒステリーにさらされることの方を恐れるようになったのです。米国が水爆実験をした太平洋ビキニ環礁での第五福竜丸などの被曝(ひばく)事件が大きなきっかけでした。米国内でもネバダ核実験場からの放射性降下物に対する拒否反応が広がり、公衆衛生の対応から世論対策に重心が移りました。核開発を進めたい米国主導で国際放射線防護委員会(ICRP)が設立され、被曝の「許容線量」の考え方が導入された。世界的かつ長期的な広報戦略が今日に至るまで続いています。 当時、原子力発電の技術開発でソ連に後れをとっていた米国は、日本に原子炉を輸出することにしました。広報戦略の一環です。ソ連は、米国の原子炉を「マーシャルアトム」(軍事用の核)だと言ってばかにしていました。米政府はこれを恥じ、アイゼンハワー大統領が「アトムズ・フォー・ピース(平和のための原子力)」を唱え、原爆被爆地の広島にあえて原子炉を置こうとしたのです。ビキニ事件を受けた日本の反核運動の盛り上がりもあって「広島原発」は実現しませんでしたが、ともあれ、米国製の原子炉が日本に設置されました。それは、原子力潜水艦用に開発された軍事用の原子炉を転用し、民生用の原子炉としては安全性が十分確認されたものではありませんでした。しかし、改良に余分なコストや時間をかけたくなかった。米国は非常に危険でやっかいなものだと知りつつ、ソ連をにらむ西側陣営の日本に輸出した。日本にはエネルギー資源がなく、米国に支配された国だったからこそ実現したのでしょう。 […] 90年代になると、ハンフォードの風下住民や農民らの健康被害があらわになり、放射線の影響が疑われましたが、工場労働者の多くは気に留めませんでした。70年代に原子力委員会を引き継いだエネルギー省や原子力産業によって「低線量の放射線は心配ない」という言説が米国社会に振りまかれていたからです。それは、たばこ産業が自前の研究結果を示して「喫煙は人体に無害だ」というのと同じような広報戦略です。 それは4段階あります。まずは、自然化。「放射線は太陽のようなものです。元々自然界に存在するものですよ。だから、大丈夫なのです」と。さらに、ハンフォード施設沿いの川を自然保護区に指定して、野鳥が集まる美しい公園として売り出そうとしている。これは、「自然化」の広報戦略の一環です。実際には米国各地の核開発によって、人間の健康だけでなく、環境汚染や生態系への負の影響をもたらしてきたことを隠すものです。 次に、対抗研究。「子どもの甲状腺に腫瘍(しゅよう)が出来るのは放射性物質が原因だろう」という研究が発表されると、別の学者を買収して「まだわからない、証拠がない」と言わせる。第3に、健康被害を訴える人々自身のせいにする。「放射線を恐れすぎです。食生活やアルコールの方があなたの健康にとっては問題ですよ」と。最後に、答えの出ない「先端研究」に投資して結論を引き伸ばす。米国のある大学には、多額の国家予算を投じて、刑務所の囚人男性に放射線を照射して精子への影響を調べる研究を12年間もやらせました。結果、放射線の人体への影響は「わからない」という。ハンフォード施設からの放射線で環境や牛は汚染されているけれども、人体との因果関係はわからないというのです。 […] 米国は戦後設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)を通じて広島・長崎の被爆者のデータを日本側から吸い上げました。なぜでしょうか。米機密文書には、こういう記載がありました。「我々はこの研究を(日本から)乗っ取る必要がある。さもなければ、ピンクや赤の連中に(被爆者の健康調査データを)握られて、ひどいことになる」。広島・長崎への原爆投下の正当性について米政府は敵対するソ連であれ、共産主義者であれ、攻撃材料を与えたくなかったのでしょう。 一方、お膝元のハンフォードでも、風下住民らが30年近くも法廷闘争をしています。病気にかかった人たちが30年ですよ。米政府は弁護側、つまり請負企業の弁護にカネを払って、できるだけ裁判の引き延ばしにかかっています。これまでに企業の弁護のために多額の国税が費やされました。一方、原告の風下住民らは自分で弁護士を雇わなくてはならず、長期戦に持ちこたえられません。結果、企業側は、何ら罪を認めることなく、法廷の外で示談に持ち込むのです。 私は元々、旧ソ連の歴史研究者です。ソ連と日本は違うはずだ、日本の科学技術や組織管理は信頼できるはずだ、と思っていました。しかし、東京電力や日本政府の対応を見ていると、ある意味、ソ連よりひどいと思います。「アンダーコントロール」だとウソをついて、避難住民らの福島への帰還政策を進めている。広報戦略によって放射線の危険性を見えなくしている。住民らがそれに従わざるをえないように追い込まれているのが、まさに国策依存の「プルトピア症候群」です。 […] もっと読む。
福島第一原発 廃液漏れで危険作業増 貯蔵容器で水素ガス発生 via 東京新聞
「。。。」福島第一では、今も原子炉を常に冷やすため大量の高濃度汚染水が発生する。液体で貯蔵するのはリスクが高い。このため特殊な薬剤を混ぜて放射性物質を付着させ、泥状の廃液にし、強固な容器(直径一・五メートル、高さ一・八メートル)に閉じ込める。 ところが昨年四月、一部の容器の上部や周辺の床にたまった水が見つかり、他の容器をチェックしたところ、計三十四基で水があふれているのが見つかった。 東電が原因を調べたところ、高濃度の放射性物質を含んだ汚泥が容器内に沈殿し、水と反応して水素ガスが発生。汚泥が膨張して上澄み水を押し上げ、上部のガス抜き穴からあふれたことが判明した。ガスが発生することは分かっていたが、水があふれる事態は想定外だったという。 この容器は現在、約一千七百基まで増えている。遮蔽(しゃへい)用のコンクリート製の箱に収納しているため、漏えいはただちに外部に影響があるわけではない。 しかし、いずれの容器からも水があふれる恐れがあるため、現場では完全防護の態勢で毎日の点検のほか、容器ごとにガスの発生量を予測し、漏れが起きる可能性が高いものから順次、手作業でホースを使った水抜きを進めている。 ただ、この水は放射性物質の濃度が高く、作業には危険が伴う。放射性セシウムが一リットル当たり約一万ベクレル、放射性ストロンチウムが約三〇〇〇万ベクレルと、近づくだけで被ばくする恐れのある濃度だ。 さらにやっかいなのは、このうちの約千基が箱内で、三段積みにして収納されている点だ。容器を一つ一つクレーンで動かし、チェックして水を抜き、別の容器を移動させて再び収納する、と気の遠くなるような作業を続けることが必要になっている。 東電の担当者は「どれをどこに動かすかなどパズル状態。被ばくを最小限に抑えながら、慎重にやっていきたい」と説明している。本来の目標である廃炉に向けたマンパワーを、余計な作業に割かざるを得ない状況だ。 <福島第一原発の汚染水処理> 事故で原子炉内に溶け落ちた核燃料を冷やすためには大量の水が必要。冷却後、発生した高濃度汚染水は、放射性セシウムの大半とストロンチウムの一部を除去し、さらに別の装置で塩分などを取り除く。淡水になった分は再び炉の冷却に使い、塩分を含む水は再度除染しタンクに保管する。この処理過程で出た汚泥状の廃液を貯蔵容器にため敷地内に保管している。 もっと読む。