東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う除染で出た廃棄物を一時的に保管している「仮置き場」の1つで、福島県南相馬市が廃棄物の保管を続けられず地権者の住民への土地の返還を決めたことが分かりました。廃棄物を運び込む「中間貯蔵施設」建設のめどが立たないなかで処理の難しさが浮き彫りになっています。
返還が決まったのは、南相馬市原町区の馬場地区にある仮置き場です。この仮置き場は、市が2年前に住民から借りて整備し、除染で出た廃棄物およそ6万5000立方メートルを一時的に保管していますが、来年3月に借地の契約期限を迎えることや当初から水田を整備する計画があったことなどから、保管を続けられなくなっていました。市が廃棄物を別の場所に移せないか調整した結果、市内の小高区にある土地に移転することで同意が得られ、仮置き場の住民への返還を決めたことが市の関係者への取材で分かりました。
[…]
福島県には1000か所以上の仮置き場がありますが、廃棄物を運び込む「中間貯蔵施設」建設のめどは立っておらず、廃棄物の保管は長期化しています。こうしたなか、各地で借地契約の延長が行われてきましたが、福島県によりますと仮置き場が返還されるのは初めてで、除染廃棄物の処理の難しさが浮き彫りになっています。
もっと読む。
どのていどの除染を経て、土地は返還されるのでしょうか。