Monthly Archives: March 2021

FEATURE: Fukushima nuclear crisis evacuees face unresolved issues 10 years on via Kyodo News

By Donican Lam […] And while the numbers — including those who voluntarily fled without an evacuation order — have halved from their peak of 62,831 in March 2012, many of the issues facing evacuees remain unresolved. Nakate, who was … Continue reading

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3/7『小さき声のカノン』オンライン上映+鎌仲ひとみZOOMトーク+3/12オレゴンからのトークライブ(同時通訳)視聴特典付き

まもなく東日本大震災から10年 そしてコロナ禍の今。 この時に、改めてぶんぶんフィルムズ、鎌仲ひとみ監督の作品「小さき声のカノン」を皆さんと視聴し、オンラインで集う場を作らせていただきました。 3月12日の朝にアメリカオレゴン州で開催される「Remembering Fukushima 10 Years Later」(10年後の福島をおもう)のオンライントーク視聴(同時通訳)もご覧頂けるご案内もいたします。  この機会に是非、改めてカノンを観て頂きたいです。どうぞご参加ください。 日時:2021年3月7日(日)14:00~17:00 (視聴3月6日 午前9時から 3月7日 14時までご覧頂けます!) カテゴリ:映画会 オンライン 参加費: 1500円(29時間視聴+3/12オレゴントーク視聴特典付き!) タイムスケジュール: 14:00~「小さき声のカノン」オンライン上映 16:10-17:00 鎌仲監督トーク(武藤類子さんとの対談動画紹介/20分) 参加方法:こちらからお申し込みください。 https://bunbun-37.peatix.com 参加者特典: 3月12日(金)10:00- からアメリカのオレゴン州で開催される同時通訳オンライントーク「Remembering Fukushima 10 Years Later」への視聴参加ができます! 2021年3月11日(12日)で福島事故から10年が経ちました。日々記憶がうすれる中、 この企画では、皆様に映画『小さき声のカノン』を期間中に見ていただき、最終日の 12日午前10時から視聴者の皆さんを交え、アメリカと日本の二国間で原子力発電という 巨大事業の脅威と今後何年にもわたって脅かされる人々の暮らしと健康について 2カ国語で話し合うウェブセミナーを設けました。 :ゲスト: 「鎌仲ひとみ」さん『小さき声のカノン』監督 「ノーマ・フィールド」さん シカゴ大学の名誉教授で福島の現状を2011年から追っておられる 「リオナ・モーガン」さん ナバホの原住民で活動家 :メッセージ: 「武藤類子」さん 福島原発告訴団団長で『福島からあなたへ』の著者 ※通訳はノーマ・フィールドさんと企画スタッフ川野ゆきよが行います。 時間の関係上要約して大事な部分を拾って日本語でお伝えすることになるかと思います。 よろしくお願いいたします。 映画オフィシャルサイト: http://kamanaka.com/canon/ もっと読む。

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Remembering Fukushima 10 Years Later via Oregon Physicians for Social Responsibility

Oregon PSR remembers the nuclear meltdown of the Fukushima Daichii nuclear power plant in Japan on March 11th, 2011. To mark the ten year anniversary of this tragic event, we are hosting a film screening and panel discussion to explore … Continue reading

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『サマショール』遺言プロジェクト

福島原発事故から10年。 人類は放射能と共存できるのか? 二人のフォトジャーナリストが撮り続けた フクシマの終わることのできない物語。 ​映画『遺言 〜原発さえなければ』からつづく待望の第六章。 放射能に汚染され、すべての村人が避難した福島県飯舘村。震災から6年後、避難指示が解除されることになった。仮設住宅で暮らす元酪農家の長谷川健一さんは、ふるさとに戻るのか、決断を迫られる。そこで原発事故から30年が過ぎたチェルノブイリへ旅に出る。目にしたものは、人の消えた町と森に還った廃屋。しかし長谷川さんは、立入禁止区域に暮らす「サマショール(自主帰還者)」に出会う。それは未来の自分の姿…。   汚染された大地で「放射能との共存」を強いられる生活だが、それでもふるさと。100年後、200年後には子孫がこの地に戻るかも知れない。 その日のために今日も畑に蕎麦の種を撒く。「原発に負けないで 頑張ってください」。原発事故を苦に命を落とした酪農家仲間の『遺言』と、意志を受け継ぐ飯舘村のサマショールたちの第六章。 もっと読む。

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避難所で性行為を強要、DVが悪化… 被災地であった女性への暴力その後【東日本大震災】 via HUFFPOST

泉谷由梨子 「避難所のリーダー格を含め複数の男性から暴行を受けた。『騒いで殺されても海に流され津波のせいにされる恐怖があり、誰にも言えなかった』」(女性) 「避難所で夜になると男の人が毛布の中に入ってくる。仮設住宅にいる男の人もだんだんおかしくなって、女の人をつかまえて暗いところに連れて行って裸にする」(20代女性)  東日本大震災では、避難所での女性や子どもに対する性暴力や、家庭内暴力(DV)があった。これは、「東日本大震災女性支援ネットワーク」が2013年に発表した調査で明らかになった。  ただ、当時はほとんどこの事実に関する報道はされていなかった。どんな内容だったのか、あれから10年で災害と性暴力をめぐる状況はどう変わったのか。調査をまとめた一人である認定NPO法人「ウィメンズネットこうべ」(神戸市)代表理事の正井禮子さんに聞いた。 「対価型」性暴力に注目 […] ・津波で家族が行方不明になった20代女性に、避難所で物資の搬入や仕分けに関わっていたリーダー格の男性が、支援物資を融通することをほのめかして性的関係を強要した。 ・自称「支援活動」をしている男性が、支援者として女性に近づき、不安になっている女性に自分の家に「避難」を勧める。 ・夫が震災で死亡し、娘と避難する女性に避難所のリーダーが「大変だね。タオルや食べ物をあげるから夜、○○に来て」と性行為を強要した。女性は「嫌がったらここにいられなくなる。娘に被害が及ぶかもしれない」と応じざるを得なかった。 ・災害後に被災者の女性の元に元交際相手が車で駆けつけて関係を再開。暴力や性的暴力をふるった。女性は災害後に不安になり頼る人がほしかった。 調査は、災害後、特に経済的・社会的に弱い立場に置かれやすくなった女性の弱みや不安につけこみ、優位な立場にある男性との社会的な力関係の差を利用した性暴力が行われていたことを明らかにした。 また、家庭内暴力も多数報告された。 ・以前より暴力があり、若い頃は首を締められることも。地震・津波によって夫の仕事が減り、家にいる時間がながくなった。震災後にイライラしはじめ、妻に対し大声で怒鳴るなどが始まった。震災前には妻が日常的に通っていた場所に行く公共交通手段がなくなり(夫に送迎を頼まざるを得ず)緊張度が高まっている(50代女性)。 10年で「何も変わっていない」 この調査の対象となった、東日本大震災からまもなく10年になる。 あれから、災害対策基本法は改正され(2013年)、市町村に避難所の生活環境整備の努力義務が課された。2020年には、内閣府男女共同参画局の避難所運営ガイドラインが作成された。 ガイドラインには、正井さんらの調査報告や提言内容も盛り込まれている。それにより、10年で状況はずいぶん改善されたように見える。東日本大震災で報告されたような性暴力は、今後はもう起こらないと言えるだろうか? 正井さんは即座に「そんなことはない。何も変わっていない」と断言した。 どういうことだろうか。 実は、2011年の東日本大震災の当時も、既についたてや更衣室の設置など女性特有のニーズを考慮するようにと求めた文書は内閣府から通達されていた。 しかし、地方自治体やNPOなどを対象にした後の調査で「知っており、市町村や関係部署・団体等と連携して対応した」と回答した団体は、わずか4.5%でしかなかったことがわかっている。 […] 正井さんらも海外での調査事例を参照し、当初は直接避難所に問い合わせて女性から聞き取りをしようと試みた。しかし、避難所のリーダーたちから「性暴力の調査とは何だ。うちの避難所に犯罪者がいると言うのか」と、すごまれることも多かったという。 正井さんが制度以上に重要だと指摘するのは、性暴力やDVの背景にある日本社会の女性の貧困やジェンダーの不平等を改善するということだ。 […] また、正井さんは避難所のリーダーを務めた数少ない女性から、こんなエピソードを聞いたという。 ある避難所で、他に引き受ける人が誰もいなかったという理由で女性がリーダーになっていた。3カ月が経ってその自治体の避難所連絡会ができ集会に行ったところ、女性リーダーはその避難所だけだったことがわかった。戻ってそのことを避難所で報告すると『女性がリーダーだと、うちの避難所だけ不利になるのでは』との懸念の声があがり、その女性に対して『(半壊の)家があるじゃないか』と出ていくように言われた。女性はショックから精神的に不調をきたし、本当にその避難所を出ていくことになった。 「コミュニティ再建だと言われるが、ここにあるのは女を黙らせるコミュニティでしかない」。避難所の立ち上げから奔走してきた女性は正井さんにそう語った。 正井さんは阪神大震災でも、東日本大震災でも「避難所リーダーの男女別の人数を知りたい」と各機関に問い合わせたが、最後までその情報さえ得ることができなかった。 […] 平時にも弱い立場にある女性が、災害時にはより困難になる。阪神大震災や東日本大震災で痛感した、社会の構造は全く変わっていないと感じている。 「DVの暴力から逃げ出し避難しても、コミュニティを追われた女性たちには貧困が待っている。日常から女性に対する性暴力や暴力はあるんですよ。そういう被害や、男女の不平等、性被害が無視されている現状に目を向けていかないと、災害時だけ女性が活躍したり、女性の意見が通ったり、そんなことにはならないですよ」 一方で、正井さんがわずかに希望を感じていることもある。それは、2019年から始まった、性暴力に抗議するフラワーデモが全国で開かれていることだ。 阪神大震災の被災地で性暴力があったことについて発表した正井さんは、ある雑誌で「嘘」と断定されて世間からのバッシングを受け、それから10年間災害と性暴力についての発言を控えていたという過去がある。 東日本大震災でこれほど大規模な調査を実施したのは、災害時に暴力を受けた女性たちの声が、決して嘘なんかではないと証明するためでもあった。 「2019年6月に初めて開催した神戸市でのフラワーデモでは、参加者が自分も話したいと次々とマイクを握っていました。若い人たちが多かったのが嬉しかった。先日の森喜朗さんの発言でもすぐに若い人たちが動いて、10万筆を超える署名が集まりましたね。ずっと変わらなかったと言いましたが、やっぱり今からは変わり始めるんじゃないかなって。やっと皆が行動を始めたんじゃないかなって。そうであってほしいって期待しているんです」 あの頃と比べると、発言する女性、そして女性たちの声を代弁し守る人々が増えたことには希望を感じる。正井さんはそう話した。 全文

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「避難指示遅れて被曝」福島県民29人が国と東電を提訴 via 朝日新聞

[…] 福島第一原発の事故後、原発20キロ圏内の住民には避難指示が出たが、20キロ圏外の飯舘村は対象外だった。同村には事故直後の風向きなどの影響で多くの放射性物質が運ばれたが、政府は事故1カ月後の4月まで同村に避難方針を打ち出さなかった。  原告らは訴状で「高線量だと正しく知らされていれば、早期に避難でき被曝しなかった」と指摘し、国や東電の対応不備を訴えている。  この日の会見で、飯舘村から福島市に移り住んだ原告の菅野哲(ひろし)さん(72)は「健康不安をずっと持っている」としたうえで、「けじめをつけないと死んでも死にきれない。福島の現状を広く国民にわかってほしくて東京地裁に提訴した」と話した。国は「コメントは控える」。東電は「真摯(しんし)に対応する」とした。  原告を含む約3千人は2014年、被曝への慰謝料などを求めて国の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に申し立てたが、東電が和解を拒否し打ち切りになっている。(新屋絵理)

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福島第一原発事故10年、特別除染地域の85%で除染進まず 廃炉計画では新たな代替案が不可欠 via グリーンピース・ジャパン

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日、2つの新報告書『福島第一原発 2011-2021年:除染神話と人権侵害の10年』と『福島第一原子力発電所の廃炉計画に対する検証と提案 ~プランAからプランB、そしてプランCへ~』を発表しました。『福島第一原発 2011-2021年』では、福島県飯舘村南部の民家、浪江町の民家などの放射線測定調査から、再汚染が起こっている状況について報告しています。また、森林のほとんどが除染の対象となっていないことから、政府が計画を策定し除染事業を進める特別除染地域(SDA)の85%が除染されていないことが示されています。一方、『廃炉計画に対する検証と提案』では、現在の東京電力福島第一原発の廃炉計画が30~40年以内に成功する見込みは低く、代替案が求められると指摘し、具体的な提案をしています。 <報告書概要> 『福島第一原発 2011-2021年』 グリーンピースの放射線専門家チームは2011年3月26日以降、過去10年間で32回の調査を実施してきました。主な調査結果は以下の通り。 政府のデータを分析すると、政府が除染の責任を負う840平方キロメートルのSDAの大部分が放射性セシウムで汚染されたままであり、除染された面積はSDA全面積の15%程度に過ぎない。 政府の長期的な除染目標である毎時0.23マイクロシーベルトがいつ達成されるのか、その時期は決まっていない。住民は、公衆被ばく限度の年間1ミリシーベルトを超える放射線に何十年もさらされることになる。 2017年に避難指示が解除された地域、特に浪江町と飯舘村では、放射線レベルが安全といえるレベルを超えたままであり、住民を潜在的ながんリスクにさらす可能性がある。避難指示の解除を継続する計画は、公衆衛生の観点から受け入れられない。 2018年まで、SDAの除染にはのべ1300万人の除染作業員が雇用されていた。労働者のほとんどは低賃金の下請け業者であり、限定的な効果しかない除染プログラムのために、不当な放射線リスクにさらされてきた。 『福島第一原子力発電所の廃炉計画に対する検証と提案』 元ゼネラル・エレクトリック社で東電福島第一原発などに勤務していた原子力コンサルタントの佐藤聡氏(下記著者紹介を参照)に、グリーンピースから執筆を依頼した。 佐藤氏による現行の廃炉計画の問題点 3基の原子炉圧力容器に残る数百トンの燃料デブリを回収するための信頼できる計画はない。 原子炉を冷却するための水、建屋に流入する地下水の汚染、タンクに蓄積される放射能汚染水は、新たなアプローチを採用しない限り、今後も増え続ける。 燃料デブリが回収されたとしても、それも敷地外で保管するというのは非現実的。現行の計画は、現行ロードマップの30~40年という時間枠では達成不可能である。 佐藤氏による代替案 長期的に安全な格納容器を建設し、燃料デブリの除去を50~100 年以上遅らせることを含め、アプローチを抜本的に再考し、新たな廃炉計画を立てる。 中長期的には、補強を施した一次格納容器を不完全な一次境界、原子炉建屋を二次境界として、放射能を閉じ込める。それと並行して、作業員が高い放射線リスクにさらされずに作業ができるロボット技術を開発する。 放射能汚染水の増加を防ぐため、燃料デブリの冷却を水冷から空冷に変更する。さらに、福島第一原発敷地に深い堀を建設し、地下水から隔離された「ドライアイランド」にする。 グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、鈴木かずえ「過去10年間、政府は東電福島第一原発の周辺住民に対して、除染をすればすべてが元通りになるかのような誤解を与える説明を繰り返してきました。しかし現実は、福島県の7割以上を占める森林は除染されていません。そのため、森林が放射能の貯蔵庫の役割を果たし、台風などのたびに、放射性物質を放出しています。放射能汚染には終わりがありません。 また、東電福島第一原発についても、政府と東京電力は、40年で廃炉作業が完了し、東電福島第一原発を更地にするとも受け取れる説明を続けていますが、技術的な観点や最終処分場の問題などからも、実現は不可能でしょう。放射線状況についても、廃炉についても、政府の説明は、欺瞞に満ちていると言わざるをえません。しかし、原発事故の被害を終わらせるためにも、また、真に原発事故を収束させるためにも、今日から、東電も政府も、放射線状況についても、廃炉についても、現実に向き合い、市民に事実を話すべきです。 以上 報告書全文 福島第一原発 2011-2021年:除染神話と人権侵害の10年 福島第一原子力発電所の廃炉計画に対する検証と提案 ~プランAからプランB、そしてプランCへ~ (英語) グリーンピース・ブリーフィングペーパー『東電福島第一原発には、プランCが必要』 関連資料 グリーンピース特設サイト『写真と証言で綴る12人の10年 福島の記録』(3月4日公開) 全文

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85% of Special Decontamination Area remained contaminated Fukushima Daiichi decommissioning road map unachievable – a new plan is inevitable via Greenpeace Japan

[…] “Successive governments during the last ten years, and largely under prime minister Shinzo Abe, have attempted to perpetrate a myth about the nuclear disaster. They have sought to deceive the Japanese people by misrepresenting the effectiveness of the decontamination … Continue reading

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French report grapples with nuclear fallout from Algerian War via the Bulletin of Atomic Scientists

By Austin R. Cooper | March 4, 2021 In January, the French historian Benjamin Stora filed a report commissioned by the French President Emmanuel Macron aimed at “reconciliation of memories between France and Algeria,” which France ruled as the jewel of its colonial empire … Continue reading

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教科書に載ってない「ビキニ」 29歳監督が撮った男たちの苦悩 via 毎日新聞

松原由佳 ナレーションも、字幕も、BGMもない。隣に住んでいるようなおじいちゃん、おばあちゃんが淡々と言葉をつないでいく――。1954年に米国が太平洋・ビキニ環礁付近で水爆実験を繰り返し、島民や漁船の乗組員が被ばくした「ビキニ事件」の異色のドキュメンタリー映画が完成した。監督し、自らカメラを回したのは、埼玉から高知に移り住んだ29歳の青年だ。事件から3月で67年。70分間の映像には、歴史の教科書に載っていない、高知の元船員や遺族の知られざる苦悩が記録されている。  タイトルのバックに流れる波の音が、見る者を大海原へといざなう。「放射線含んどるから魚を廃棄せないかん。それ聞いただけで、ほんまに泣きましたね」「知らんもんやけん、降ったものが付いた体を洗うてね。それが後に死の灰じゃゆうてね」。黄ばんだ船員手帳をめくりながら、あるいは真っすぐ前を見つめながら、海とともに生きてきた男たちがあの日に思いを巡らせる。 ビキニ事件では、被ばくした静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の無線長、久保山愛吉さん(当時40歳)が半年後に死亡し、全国に衝撃を与えた。しかし、延べ約1000隻の日本漁船が被害に遭い、放射能で汚染した約500トンの魚を廃棄させられたことはあまり知られていない。そのうち延べ約270隻は高知県籍の船だった。帰港後に船などの放射能検査を受けたが、船員の多くは補償も受けられずに放置された。 埼玉から高知へ移住  映画を撮った甫木元(ほきもと)空さん(29)は埼玉県越生町出身。多摩美術大の映像演劇学科に在籍していた頃から、身の回りの問題をテーマにしたドキュメンタリー映画などを作ってきた。数年前、祖父の家があり、幼い頃から身近な存在だった高知県で映画を撮ろうと四万十町に移住した。 それまでビキニ事件について知っていたのは「第五福竜丸が被ばくしたことくらい」。しかし、元高校教諭で市民団体「太平洋核被災支援センター」事務局長の山下正寿さん(76)=高知県宿毛市=に出会って刺激を受けた。山下さんは85年から高校生と一緒に県内の元船員や遺族への聞き取りを重ね、国家賠償を求める訴訟などの支援をしてきた。事件当時のことを語れる人はもう少ない。「自分も歴史に向き合い、証言を残さなければ」と映画製作を決意した。  2020年夏から秋にかけ、動画が撮れる一眼レフカメラを手に元船員や遺族を訪ね歩いた。元船員の多くは80代や90代。一度の訪問が長時間にならないように気遣った。インタビューで心がけたのは、家族との思い出や船を下りてからの生活など、自分史を語ってもらうこと。それでも、誰もが「まるで記憶に付箋がつけられているように」事件のことを話し始めた。放射能検査で機器の針が振り切れたこと、被ばくを他言しないよう家族に言われたこと、原因が分からないのに歯が抜け、がんが次々と見つかったこと……。10人以上の証言を記録した映像は40時間に上った。 ナレーション、BGM入れず (略) ビキニ事件に興味がない人に先入観を持たずに見てもらうため、タイトルは「その次の季節 高知県被曝(ひばく)者の肖像、遠洋漁業の記憶2020」にした。「その次の季節」は、自分も含めた次の世代がどう体験を受け継いでいくかが重要だ、との思いを込め、高知出身の詩人、大崎二郎の作品から取った。  映画は20年12月に県内でお披露目された。作品の中で亡き父のことを語った下本節子さん(70)は「空さんには平常心でゆっくり話せた。映画に出てくる他の元船員の言葉からも家族への思いが伝わってきた」と言う。来場者へのアンケートでは「被ばくした人数を聞くのと、一人一人から証言を聞くのとでは重みが違うと実感した」との声も寄せられた。3月に県内で開かれるビキニ事件に関するイベントでも上映される予定で、甫木元さんは今後、全国各地での上映を目指す。問い合わせは甫木元さんのメール(emptyspace.emptymovie@gmail.com)。【松原由佳】 全文は教科書に載ってない「ビキニ」 29歳監督が撮った男たちの苦悩

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