Daily Archives: 2021/03/07

産学官民で浜通り復興 福島の教育機関など連携組織を設立 via 河北新報

東京電力福島第1原発事故からの復興を地域の経済発展に結び付けようと、福島県浜通り地方の教育機関や民間企業などが6日、産学官民の連携組織を設立した。放射性物質による環境汚染から脱し、繁栄した米国ハンフォード地域の取り組みをモデルに、地元企業や人材の育成などに力を入れる。  名称は「福島浜通りトライデック」。ワシントン州ハンフォード地域の発展に貢献した非営利団体「トライデック」にならった。地元の大学や企業、NPO法人などの43人が設立メンバーとして名を連ねた。  軍事用プルトニウム精製によって放射能に汚染されたハンフォード地域は、環境浄化の過程で多くの研究機関や関連企業が集積。雇用や生活環境が充実し、復活した。関係機関の利害調整や地元要望の取りまとめを担ったのがトライデックだった。  浜通りトライデックは米トライデックの知見を参考に、草の根レベルから被災地域の復興に関する提案や情報発信をする。今後の復興を担う若い世代の人材育成も柱。地域に呼び込むための新たな魅力づくりに取り組み、復興を加速させたい考えだ。  具体的な活動を展開する七つの委員会を設けた。廃炉作業や福島イノベーション・コースト構想、国際教育研究拠点といった大きなプロジェクトとの接点を探り、地元に経済効果をもたらす復興の枠組みの構築を目指す。  ハンフォード地域の現地調査や現地の大学や短大との交流事業も計画する。今後は農業や観光、環境といった分野も調査・研究対象として検討する。 (略) 専務理事に就いた同大の中村隆行副学長は「自分たちの運命は自分たちで決める思いだ。浜通りの発展に結び付く草の根の意見、提言を出していきたい」と話した。 全文は産学官民で浜通り復興 福島の教育機関など連携組織を設立

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原子力災害伝承館、被災者「教訓分からぬ」批判 半年待たず展示替え via 毎日新聞

東京電力福島第1原発の北4キロ。海沿いに全面ガラス張りの真新しい建物がある。東日本大震災と原発事故の記録と教訓を伝える「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町、3階建て延べ約5200平方メートル)。整備費を含めた総事業費53億円は国費で賄われ、県が2020年9月にオープンさせた。だが、半年を待たずに異例の展示替えが始まった。  「教訓が分からなかった」「何を伝えたいのかよく分からない」  ロビーのノートには、来館者の厳しい声が書き込まれている。伝承館によると、2月末までに訪れたのは約3万7000人。修学旅行生ら県外客からは「事故の様子がよく分かった」とおおむね好評だが、福島の事情を知る県内客や被災者からは批判が多かった。 伝承館を運営するのは、県が設立した公益財団法人。展示内容を決めたのは県だ。不満が噴出した理由は、国会事故調査委員会などが「人災」と結論づけた原発事故について、国や東電、県の責任に関する言及がほぼなかったからだ。例えば放射性物質の拡散方向を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」について、データが政府から届きながら県が削除して市町村に伝えず、放射線量の高い方向へ住民を避難誘導した自治体があることにも触れなかった。「SPEEDIの取り扱いを明確に定めたものはなく、情報を共有できませんでした」と説明するだけだった。  やまぬ批判を受け、県は2日、年度内に約30カ所で資料の追加や展示パネルの差し替えをすると発表。翌日には追加した展示を始め、SPEEDIの不手際も政府事故調の報告を基に明らかにしている。通常、博物館などの常設展は数年維持されるため、変更は珍しい措置だ。 (略) 県幹部らへの取材を進めると、「復興五輪」を掲げる東京オリンピック・パラリンピックが予定されていた20年中の開館を急ぐなか、当たり障りのない展示に落ち着いた実態が浮かんだ。【竹内良和、高橋隆輔】 全文は原子力災害伝承館、被災者「教訓分からぬ」批判 半年待たず展示替え

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地下800メートルの「迷宮」で考えた 人類が制御できないもの via 毎日新聞

篠田航一・外信部記者 まるでSFの世界  原子力発電で生まれる高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミをどう処分するのか。これは人類共通の課題だ。過去には海洋に沈めたり、宇宙に放出したりする案も検討されてきたが、現在は安定した地層に埋める「地層処分」を最適とする考えが世界のほぼ共通認識となっている。だが2021年春現在、実際に処分場所が決まっているのはフィンランドとスウェーデンのみだ。  旧西ドイツは1977年、その候補地として北西部ニーダーザクセン州の過疎の村ゴアレーベンを選んだ。現在は計画が中止されており、その理由は後述するが、私はベルリン特派員時代にこの現場を見てみたいと思い、所管官庁のドイツ放射線防護庁に取材を申し込んだことがある。数カ月かかり、ようやく取材を許可されたのは13年7月。核のゴミを運び込む予定だった地下の坑道は、鉄条網で囲まれた建物の地下800~900メートルに広がっていた。  取材には放射線防護庁の担当官らが同行した。地下に潜る直前、地上で入念な準備をする。落盤事故から身を守るため、ヘルメットをかぶり、分厚い防護服に身に包み、ずっしり重い酸素ボンベも肩から下げた。「地下深い場所では、時に不測の事態も起きます。必ず身に着けてください」。処分場管理会社のクリスチャン・イスリンガーさんからそう言われ、急に怖くなった。フランスの作家ジュール・ベルヌのSF小説「地底旅行」を子供の頃から愛読していた私は、地下への旅と聞いて少しワクワクしていたが、考えが甘いことをすぐ思い知らされた。現実の地底旅行は命の危険を伴う行為である。  地下840メートルまでは専用のエレベーターで降下する。到着まで1分40秒。ドアが開いた。巨大なかまぼこ状のドームが目の前に広がる。道路2車線分はありそうだ。  最初に漂ってきたのは塩の香りだ。その正体は岩塩である。蛍光灯に照らされた坑道の壁は一見、固い岩に見えるが、すべて岩塩なのだ。なめてみると確かにしょっぱい。 (略) 核のゴミを埋める場所は当然、絶対に地上に放射能が漏れてこないことが条件となる。花こう岩は確かに固いが、その分、亀裂を生じると修復が難しい。やや強度で劣る岩塩層の方が、亀裂ができても自然に埋まるとされる。どちらがいいのか。このあたりは国や専門家によって見解が分かれるところだ。  坑道は全長約10キロにわたり迷路のように広がる。あちこちに掘削用重機が横たわり、電線が縦横に通る。人類はこんな地下深くにとんでもないものを造ってしまったものだ。それこそSF映画の地下迷宮である。気温は20度。冷暖房はない。  だが現在、この建設作業は中断している。掘削にはこれまで16億ユーロ(約2080億円)が投入されたが、ここが果たして本当に適地なのか議論が続いた末、13年になって処分場計画を白紙に戻し、31年までにドイツ全土の中から改めて候補地を決め直す法律が成立したのだ。 取材を終えて地上に戻る際、エレベーターが動かなくなった。同行の放射線防護庁職員によると、時々こうした不具合が起きるという。待たされた間、かなり焦った。このまま地底に閉じ込められたら食料はどうしよう。塩は山ほどあるが、塩だけ食べていたら血圧は悪化する。そんなことを考えているうちに、どうにかエレベーターは動き出した。 (略) 一つの報告書がある。ゴアレーベンに決まる過程を検証したドイツ連邦議会(下院)の「調査委員会報告書」だ。選定過程を知る政治家や官僚、学者らに対し、与野党の議員が10年3月から聞き取り調査を始め、13年5月に報告書をまとめた。  約80人を聴取し、浮かび上がった事実がある。 (略)  「決定3年前の74年時点で、実はゴアレーベンは候補になかったのです。当初の最有力地は地元の反対があり、やがて過疎地のゴアレーベンが急浮上したのです」  自ら聞き取り調査をした環境政党・緑の党のジルビア・コッティングウール議員はそう話した。  ゴアレーベンは人口が少なく、気性の穏やかな農業従事者ばかり。ここなら大きな反対運動もないだろう。州政府はそう考えた。  だが計画は簡単には進まなかった。ゴアレーベンは反原発運動の標的となり、デモ隊がドイツ各地から集まった。さらにドイツは他の先進国にはない特有の苦悩も抱えていた。それは第二次世界大戦後の東西分断の現実である。 (略) だがそこには「地質学の軽視」(コッティングウール議員)があった。ゴアレーベンの地質調査に関わった元大学教授(水質地理学)は70年代に、「地層の上部が強固でない。掘れば掘るほど、最終処分場には適していない」と反対意見を述べている。だがせっかく決まったゴアレーベンを問題視する姿勢は「政府の関係機関を激怒させた」(下院報告書)という。  13年の夏、この元教授に電話をしてみたが、「何を話しても、今さら、となります。そっとしておいてください」との返事で、取材は断られた。地質学を軽視し、政治主導で候補地が決まっていった選定過程への失望がにじむ反応だった。 地下水脈の危険  反対の理由として、現場付近に流れる「地下水脈」の存在を挙げる住民もいる。ゴアレーベンから15キロ南のリュヒョウに住み、70年代から一貫して反対運動を続ける女性、マリアンネ・フリッツェンさんはこう話した。「候補地はエルベ川からわずか十数キロしか離れておらず、私の家の地下からも川砂利がたくさん出ます。核のゴミを埋めたら、地下水に混ざって拡散する危険性があります」。ゴアレーベンの坑道では大規模な浸水は起きていない。だが低・中レベル放射性廃棄物を保管するドイツ北部アッセ鉱山では実際に浸水が発生し、安全性が度々問題になっていた。「水の流れは止まりません。人間はそれを制御できません」。13年の取材当時、彼女は89歳の高齢だったが、よどみない語り口に引き込まれた。 (略) 最終処分場が決まらないのは日本も同じである。日本の高レベル放射性廃棄物は現在、青森県六ケ所村と茨城県東海村の施設で保管されているが、これはあくまで一時的な措置であり、最終処分場選定という遠大な作業の先行きは見えない。  福島事故から10年が経過した今も「原発は制御できない」という言葉をよく耳にする。だが私が時々思い出すのは、前述のフリッツェンさんが語った「水は制御できない」との言葉だ。あまりに広大で人知の及ばない世界が地下にはある。たとえ原発を制御できても、そのゴミを埋める時に地下水などを制御できなければ選定は不可能になる。こうしたリスクは各国が共通して直面する課題だろう。地震国の日本ではなおさらだ。 全文は地下800メートルの「迷宮」で考えた 人類が制御できないもの

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