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2018年9月までの178人を解析
鈴木教授は、悪性の患者がはじめて見つかった2012年8月から昨年9月までの6年間に、甲状腺の葉切除手術を行った患者の術後の甲状腺刺激ホルモン(TSH)を発表。手術をした178人のうち血液検査の追跡調査が可能だった151人を調べたところ、69人・45.7%の患者が、術後にTHSが上昇し、甲状腺機能低下状態にあったと報告した。
甲状腺がん摘出後、再発リスクが高い患者には、TSHを抑制する治療を行うことがある。通常は「チラージン」とよばれる薬を服用するが、鈴木教授は、保護者が投薬を嫌がることや骨粗鬆症リスクが高まるなどを理由に、昆布や海藻類などヨウ素の含まれた食材を食材から排除する「ヨウ素制限食」の指導を実施していると説明。すべての患者で効果があり、概ね1年程度で、基準値を下回ったという。
さらに鈴木教授は、再発患者についても言及。調査対象の151人のうち、11人(7.3%)に再発が認められた報告した。11人のうち術前にTSHが基準値以上だったのは5例で、鈴木教授は、再発症例は、THSの高さによるものではないとの考えを示した。
TSHを抑制するためにヨウ素を制限するという方法は、これまでの治療法の中になかったことから、フロアからは「TSHを下げるために「ヨウ素制限」するという方法はどこでもやっているのか」といった疑問や「甲状腺機能が改善する治療成績が高すぎるのではないか」といった指摘が投げかけられたが、鈴木教授は、子どもに薬を服用させたくない保護者が熱心に取り組むため、効果が高いのではないかと回答。外食の際のうどんや寿司、インスタント食品も食べないよう指導していると述べた。
甲状腺がん患者の再発数、初の公表
福島県の小児甲状腺がんをめぐっては、手術症例も十分共有されない中、再発や転移数もこれまで明らかになっていなかった。2016年9月に福島市で開催された「第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議」の質疑の中で、鈴木教授が「few」と回答。数人の再発患者が存在することを明かしたものの、正確な人数は明らかにしてこなかった。
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