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【日本乳腺甲状腺超音波医学会】山下俊一氏が福島での学術集会で講演。厳重な「撮影一切禁止」の中で、原発事故による健康影響を否定、甲状腺ガンも「放射線の影響では無い」 via 民の声新聞

  • 2019/10/06

福島県の「県民健康調査検討委員会」初代座長で、福島県立医大副学長・理事長特別補佐の山下俊一氏が6日午前、福島県福島市で開かれた「日本乳腺甲状腺超音波医学会」(JABTS)の第43回学術集会で40分間、特別講演した。撮影が一切禁じられる中、婉曲的な表現ながら、2011年3月の原発事故による健康への被曝リスクを否定。甲状腺検査で200人以上の小児甲状腺ガン(疑いも含む)が見つかっている事に関しても、過剰診断との見方には否定的であるものの、「放射線の影響では無いと思われる」と述べた。明日7日には、新しい顔ぶれでの県民健康調査検討委員会が開かれる。

【「山木屋は65・5μSv/hだったが…」】
 「未曽有の出来事ではあったが、広島長崎、チェルノブイリの経験が生かされなかったわけでは無い。果たして当時、戦略をもって原発事故に対応出来たのだろうか。チェルノブイリ原発事故からまだ33年。福島第一原発事故から8年。『歴史』と言うにはまだ短すぎる。しかし、この事を学ばずして未来に責任を果たせるか。8年半前、いったい何が起きたのか。お話をしたい」
 講演は午前9時20分に始まった。山下氏は、いつもの穏やかな口調で語り始めた。並べられたパイプ椅子は空席が目立った。
 「風化という問題は避けられない。2013年4月の学術集会で、私はやはりこのホールで講演した。聴衆で満杯だった。6年半経ってこういう状況。時間軸で人の価値観は変わり得るという事を示している」
 原発事故直後に発売された週刊誌「AERA」の表紙が大きく映し出された。タイトルは「放射能がくる」。山下氏は直接的な表現では批判しなかったが、否定的に用いられたのは明らかだった。
 「情報伝達が閉ざされ、正しい情報が入って来ないという中で、不安と恐怖が蔓延した。チェルノブイリ原発事故と比較すると良く分かると思うが、放出された放射性物質はだいたい10分の1程度だった。幸いなことに8割は太平洋に流れた。情報にアクセス出来る人もいれば出来ない人もいる。そういう中で、こういう雑誌が席巻した」
 2011年4月1日、川俣町・山木屋地区に立ち寄った際に自身で測定した空間線量は65・5μSv/hだった。しかし、これも健康被害を生じさせるような数値では無いという。
 「2011年3月14日から19日にかけて、長崎大学からREMAT(緊急被曝医療支援チーム)が福島に派遣された。いろんな人々がいろんな想いで集まったが、国からしっかりとした情報や指示があったわけでは無い。フィルムバッヂやホールボディカウンター(WBC)で測定した結果、幸いにして、私たちが派遣した5人の6日間の被曝線量は約31μSvから52μSvだった」

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山下氏の講演だけでなく、全てのプログラムに関して写真や動画の撮影が禁じられた。別会場のブースも撮影禁止。学会の関係者は「学会として全ての取材者にそのようにお願いしている。理由は分からない」と話した=コラッセふくしま

【「混乱招いた『ただちに影響無い』」】
 話は当時の官房長官、枝野幸男氏にも及んだ。
 「当時は『被曝イコール健康影響』だった。当時の官房長官は『ただちに影響無い』と何度も繰り返し混乱を招いた。彼は『影響は無い』とは言えなかった。実際には誰しもが微量の放射性物質を吸い込んだ。それは関東も同じ事」
 この日の講演で山下氏は、直接的な表現を極力、避けていたが、一貫していたのは「原発事故による被ばくリスクは無い」という事だった。
 「警察や消防、自衛隊員として2011年3月12日から3月末まで半径20キロ圏内で作業した2967人の被曝線量の測定結果がある。ほとんどが2mSvも無い。訓練された人間は事故の相場観が分かったが、一般公衆にとってはまさに青天の霹靂であった。真の健康リスクとのかい離があった。3月18日から27回、福島県内で講演会や対話集会を行った。聴衆は1万240人に上った。一般の住民とどのように健康リスクについてコミュニケーションするか、難しさが露呈した」
 ちなみに当時、山下氏らが福島県内で行った講演の内容は、今なお民事裁判で東電が原発事故による健康被害の可能性を否定する根拠としてたびたび引用されている。
 「県民健康調査」として行われている甲状腺検査については「進行中であって結論めいた事を述べるのは難しい。データを総合的に評価し、チェルノブイリの経験を今後も福島に活かしていく必要がある」と述べた。県民健康調査検討委員会では「過剰診断ではないか」との意見もあるが、それについては否定的な見方を示した。
 「200人を超す子どもの甲状腺ガンが見つかっている。初めてのデータ蓄積。放射線の影響では無いのに、なぜこれだけ多くの甲状腺ガンが見つかるのか。それがしきりに問われている。『過剰診断』とも言われるが、それは本当だろうか。疫学的に後で振り返って過剰診断だと言う事が出来る」
 最後に、「福島は『現存被ばく状況』が続いている」として、「学而不思則罔 思而不学則殆」(学びて思わざれば則ちくらし、思いて学ばざれば則ちあやうし)という言葉で講演を締めくくった。筆者の取材に対し、山下氏は「中通りには放射線による健康影響は無い」とはっきりと答えた。避難指示の有無にかかわらず今なお福島県外に避難している人々がいるが、「放射線の健康リスクを正しく学べ」という事なのだろうか。

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