東日本大震災 福島第1原発事故 放射線測定室「とこらぼ」5年 市民が食の安全発信 事故風化防止へ /埼玉 via 毎日新聞

講演会などイベントも

 東京電力福島第1原発事故を受け、農産物や土などの放射線を測定している所沢市の市民測定室「とこらぼ」が今年で設置から5年を迎えた。県内ではほかにも同様の市民測定室が活動しており、事故影響の現状を発信し続けている。【清藤天】

 とこらぼは2013年、事故の影響を心配した有志の市民数人で始めた。持ち込まれた農産物や土の測定のほか、近くの航空記念公園の空間線量を月1回定期的に測っている。

 農産物などの持ち込みは、13年に686件と最も多かったが昨年は84件まで減った。測定値もおおむね検出限界以下になった。他の測定室でも同じ傾向という。

 テーマを絞って測定する団体もある。深谷市の「HSF市民測定所・深谷」は、県民がよく出かける隣県の公園などを調べた。今年は「高濃度で検出される場合がある」として、まきストーブなどで出た灰の測定を「森の測定室・滑川」(滑川町)、「私達の未来測定所・秩父おがの」(小鹿野町)と共同で始め、検体を募集している。

 とこらぼは、測定時間を長くしてより低い値も検出できるようにしたほか、風化を防止するため講演会などのイベントにも力を入れる。昨年は福島県内の動物への影響を追ったドキュメンタリー映画「福島 生き物の記録」シリーズの上映会を5回開催。専門家の講演会も開催した。先月21日の5周年集会には約40人が出席。同映画を鑑賞し、岩崎雅典監督から福島の現状などを聞いた。

(略)

とこらぼ代表の上石正明さんは「風化が進むが、過去に例のない事故であり、どのような影響が出るのかは現在進行中だ。関心を持ってもらいたい」と話している。

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