埼玉県議会、原発再稼働求める意見書可決 「福島を軽視」抗議拡大 via 河北新報

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の避難者を受け入れてきた埼玉県で、昨年12月に可決された県議会(小林哲也議長)の意見書が物議を醸している。原子力規制委員会の基準に適合した原発の再稼働を求める内容に「事故の教訓を十分に議論したのか」と県民が反発。議決直後に始まった抗議行動は、全国的な広がりを見せている。

意見書は、衆参議長、首相、経済産業相、原子力防災担当相宛。12月定例会最終日の12月22日に提案され即日、可決された。都道府県議会による原発再稼働を求める意見書提出は埼玉が初とみられる。

意見書は、エネルギーの安定供給や経済効率の向上には「原発の稼働が欠かせない」とし「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原発の再稼働」を要望した。

併せて(1)高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取り組み強化(2)避難のための交通インフラ整備や避難計画策定への継続支援(3)産業や雇用の創出を含む原発立地自治体への支援-を求めた。

提案議員は自民党系会派と無所属系会派の11人。採決の結果、賛成60、反対25だった。議員の一人は「突然提案された意見書で、十分に議論されたとは言い難い」と打ち明ける。

議決を知った県民の一部が採決後、県庁前に詰め掛け「恥を知れ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議。反発は年が明けても収まらず、今月10日には県民ら約140人が議会棟周辺をデモ行進し、小林議長宛の抗議文を提出した。

抗議文は「福島第1原発の事故原因が明らかにされていない上に収束が全く見通せない中での意見書は被災地を無視し、あまりにも無責任」と主張。インターネットを通じて募った抗議文への賛同は首都圏、福島県などから141団体3130人に上る。

(略)

[地方議会の意見書]地方自治法99条に基づき、地方公共団体の公益に関する事項について議会の機関意思をまとめ、関係行政庁や衆参両院に提出する文書。法的拘束力はない。提案権は議員にあるが、提出の際は議長名となる。

全文は埼玉県議会、原発再稼働求める意見書可決 「福島を軽視」抗議拡大

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