揚水発電、水くみ上げ昼夜逆転 太陽光普及で思わぬ現象 via 朝日新聞

夜の間に余った電気で水をくみ上げ、電力需要の多い昼間に山から落として電気を作る揚水発電。九州で最近、その役割が変わりつつある。太陽光発電の普及で余った電力を消化するため、昼間のくみ上げが大幅に増えた。全国の電力会社でも珍しいという。

宮崎県木城町の山間部にある九州電力・小丸川(おまるがわ)発電所。九州最大の揚水発電所で、120万キロワット(約原発1基分)の発電能力がある。8月から大がかりな修繕が始まったが、期間を通常より1カ月半短縮させた。揚水発電の重要性が増しているためだ。

このほか、九電は天山(佐賀県)、大平(熊本県)と計三つの揚水発電所を持つ。合計で発電能力は230万キロワット。全体の約12%だ。

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太陽光発電の急速な普及が要因だ。日照時間が長く雪も少ない九州は、国の補助制度の後押しもあり、13年ころから急増。今年5月のピーク時は、需要の7割をまかなうまでになった。

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現在、九電の揚水発電所は「フル稼働の状態」(担当者)。それでも電力が余る場合は、九電が太陽光発電事業者に送電の停止を求める「出力制御」が避けられなくなる。九電によると、この秋にも行う可能性がある。秋は日照が一定量ある一方、冷暖房需要が少なく、電気が余りやすいためだ。実施されれば離島を除いて全国で初となる。

太陽光発電設備は今後も増え、来年には玄海原発3、4号機も再稼働する見込みだ。一方、節電の定着や人口減で電力需要は減っている。昼間の電力がより余り、出力制御が常態化していく可能性もある。

太陽光発電で余った電気を本州に送れないかと、九州と本州を結ぶ送電線の増強の検討も始まっている。今年度中に方針が決まるが、投資額が大きく、工事にも10年ほどかかる見込み。当面は、九電の難しい調整が続きそうだ。(高橋尚之)

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