東電、原発を社内分社 川村新体制、苦難の船出 via 日本経済新聞

東京電力ホールディングスで23日、川村隆日立製作所名誉会長が会長に就任した。新体制の最大の課題は、収益への影響が大きい原子力事業の立て直しだ。川村氏は原子力の社内分社で責任を明確にするなど改革の方向性を示したが、地元の理解を得て再稼働を実現できるかなど課題は多い。

23日の株主総会後に開いた取締役会で、川村隆会長と小早川智明社長が就任した。その後の記者会見で川村会長は「東電が生まれ変われば福島への責任も果たせる」と抱負を語り、「(新潟県の)柏崎刈羽原発を再稼働したい」と述べた。

東電は5月に新たな再建計画を策定した。総額22兆円に上る福島第1原発事故の費用をまかなうため年平均で5000億円の資金を確保する。カギを握るのが原子力だ。

新体制はまず、原子力を社内で分社し「原子力カンパニー」を設立することを検討する。現在は「情報発信の不手際で信頼を失っている」(小早川社長)のが実態で、縦割りの弊害が出ている。

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他社は福島事故で甚大な被害を出した東電と原発で組むことに警戒が強い。そもそも再稼働が思うように進まない状況では、各社が提携しても効果は限られる。

東電には福島第2原発の問題もある。地元自治体は第1原発と同様、廃炉にすることを求めており、川村氏も会見で「重く受け止めている」と述べた。今後の具体的な方針は明言を避けたが、廃炉を決めれば追加の資金負担が出てくる。

川村会長は「原子力を日本に残すことは国益になる」と強調し、日立でも関わった原子力にかける思いを語った。リーマン・ショック後に日立を立て直した川村氏が新しい舞台でも手腕を発揮できるかが問われる。

全文は東電、原発を社内分社 川村新体制、苦難の船出

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 東京電力ホールディングスの川村隆会長は26日、訪問先の福島県庁で記者団に対し、地元自治体が要請している福島第2原子力発電所の廃炉について「なるべく早く結論を出したいが、期限の約束はできない」と述べた。その上で、地球温暖化対策や電力自由化などに言及し「変数がたくさんあり(廃炉は)経営判断として非常に難しい」とも述べた。

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