第一原発20キロ圏内の楢葉町、「避難解除」も帰らない理由とは via 週刊女性

(抜粋)

家族がバラバラになった町民も多い。いわき市内に住んでいても、家族で住まいが違うこともある。13・2%の町民は県外避難だ。

 では、どうすれば町民が戻ってくるのか。

 町では原発や放射線量の情報をきちんと公開していく必要性を感じている。そのため除染検証委員会や放射線健康管理委員会を設置。第一原発や第二原発の安全性を確認する原子力監視委員会も作った。

「委員会からわかりやすい提言を出してもらったり、町民向けの説明会もしている」(楢葉町復興推進課)

 仮に、町民に情報が行き渡り、安心感を得たとしても、働き口が少ない。親世代の仕事がなければ、子どもも戻らない。

(略)

町として再生できるかは、若年世代がどれだけ戻ってくるのかが鍵だ。

 一方、高木毅復興大臣は就任の記者会見で、東京電力福島第二原発の再稼働を示唆する発言をした。第二原発は楢葉町と富岡町にまたがる。県議会では第二原発の廃炉を求める請願を採択したが、廃炉の方針を決めていない。仮設住宅で母と2人暮らしの女性(39)は心配している。

「残しているということは再稼働の可能性もあるということ。原発で地域が潤ってきた面もある。事故前は爆発しても、1週間くらいで帰宅できると思っていたが、もう怖い」

 原発事故のせいで町に住めなくなったが、原発があったからこそ仕事が増え、出稼ぎをしなくてもすんでいた。そんな住民たちにとっては複雑な心境だ。

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