平均の20〜50倍!「福島の子供にがん急増」の客観的データが学会で報告されるも政府とメディアが完全黙殺 via LITERA

「福島県内の子供たちの甲状腺がんの発生率は全国平均の20〜50倍で今後さらに多発する可能性は大きい──」

福島原発事故から4年半、福島県での甲状腺がん発生を疫学的に分析した専門家グループから驚愕の分析結果が発表された。これは岡山大学大学院の環境疫学の専門家である津田敏秀教授を中心とした研究グループが医学雑誌「Epidemiology」(国際環境疫学会発行 インターネット版)に発表したものだが、10月8日には津田教授が「日本外国特派員協会」で会見を開き、その詳細を報告。危険性を警告した。

津田教授によれば、事故当時18歳以下だった福島県民全員を対象に実施した甲状腺がん検査の数値を分析したところ、発生率は実に国内平均の20~50倍、しかも潜伏期間やチェルノブイリでのデータから今後も増加は避けられないというものだ。

実際、福島県の発表によると、8月31日時点で検査対象の約38万5千人のうち甲状腺がんと確定したのは104人。さらに疑いも含めると137人もの子供たちが甲状腺がんと診断されている。これは100万人に2〜3人という日本の全国平均を大きく上回ったものだ。

しかし問題は、津田教授らの発表が海外メディアやネットで大きく報じられる一方、日本の主要メディアではほとんど触れられてさえいないことだ。

いや、メディアだけではない。例えば福島県検討委員会は「現時点では福島で見つかった甲状腺がんは原発事故の影響とは考えにくい」と事故とは無関係の立場を貫き、医学専門家の間でも津田教授らの発表を「時期尚早」などと矮小化しようとする動きさえあるのだ。

(略)

津田教授は会見で疫学的分析を説明した上で、甲状腺がんの増加を「過剰診断」や「スクリーニング効果」によるものという政府の説明に対し、こう反論した。

「スクリーニング効果や過剰診断によってどのくらいの偽の多発が起こってくるのか。せいぜい2〜3倍、あるいは6〜7倍という一桁のデータ上昇しかないわけです。ところが福島県では20倍から50倍の多発が起こっている」

その上で、日本政府が行った卑劣な“放射線量工作”にも言及した。

「WHOは2012年の線量推計に基づいて、約8倍から10倍の甲状腺がんが多発するとしました。ところが線量推計のドラフトの段階で、日本政府はロビー 活動によってそのドラフトの線量値を下げたわけです。これが報道されたのは昨年末の12月7日でしたが、被曝量が3分1から10分の1にヘルスリスクアセ スメントが行われる前に下げられました。つまり、行うべき対策とは逆の対策をロビー活動でやっていたわけです」

津田教授の言葉からは、冷静ながらも静かな怒りを感じるものだ。また発表を「時期尚早」だと批判するする医療専門家に対してもこう反論する。

「海外の研究家で時期尚早などという人は一人もいない。むしろ早くすべきで、遅いという批判はある」

こんな皮肉を込めた発言をした上で、さらに日本の医学、保健医療政策の問題点に言及したのだ。

「私に対してはそうした批判は直接ありません。これは日本では陰口と言います。日本の保健医療政策は医学的根拠や論文や研究結果で行われてはいない。(時期尚早などといった)陰口、立ち話、噂話に基づいて行われているのです」

(略)

現在の医学界を、そして放射能に対する対応や評価を痛烈に批判する津田教授。それは同時に、原発事故の 健康被害をできるだけ少なく、いや出来れば皆無にしたい日本政府に対して、医学的、科学的、データ的見地を主張するどころか、ひたすら追随する現在の医学 界への批判でもある。医学界もまた政府、電力会社の意向に従順に従い、利権の温存を目論む“原発ムラ”の一員だったことが改めて証明されたともいえる。

こうして正確な情報は遮断され、福島県に住む人々は自衛の手段さえ取れない事態となっていく。津田教授は正しい情報の大切さをこう述べている。

「詳細な情報を与えるだけで、有害な被爆はケタ違いに少なくなる。きめ細やかな、コストのかからない対策はいくらでも思いつく。福島県に住み続けなければならない人ほど、正しい知識を与えられなければならない」

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