放射能に汚された福島“6国”清掃活動が波紋! 子供を使った除染なのか? via 週プレNEWS

福島の国道6号線を、地元の子供たちを含むボランティアで清掃する活動『みんなでやっぺ!!きれいな6国』が波紋を呼んでいる--。

福島第一原発周辺の“6国”といえば、地域が放射性物質で汚染されたことから原発事故後に通行制限が行なわれ、昨年9月に全面解除されたばかり。

だが、主催者側は予定通り10月10日に清掃活動を実施し、中高生を含む1400人が参加。反対運動を行なう人たちも入り混じる中、前編(「福島“6国”清掃活動は美談でいいのか」)に引き続き、当日の清掃活動の様子をレポートする。

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本誌記者は、多数の子供たちがゴミ拾いに参加した、第一原発から約40キロ北の相馬市の現場にも行ってみた。ここも地表の放射線量が0.25マイクロシーベルトを超えるところがある。北部区域の閉会式が行なわれた「道の駅相馬」の土壌の汚染度は19万1000Bq(ベクレル)/m2(平方メートル)。これは放射線管理区域の5倍近くの数値だ。

参加した相馬高校の男子高校生はこう話した。

地域貢献のために参加しました。希望者はクラスで3,4人です。(ゴミを拾うことで被曝してしまう危険性については)大人がそんな危険な環境でゴミ拾いをやらせるワケはないと信じています

高校生が立っていた芝生の上は除染が終わっているはずだが、測定すると毎時0.25マイクロシーベルトを超える数字が出ていた。

それでは原発周辺の6国はどのくらい汚染されているか。清掃活動の数日前にジャーナリストの吉田千亜氏、木野龍逸氏らが車にGPS付の測定器を積み込んで測定したデータがある。それによると、広野町では毎時0.23マイクロシーベルトを超えている場所もまだ多く、毎時0.47マイクロシーベルトのところもあった。第一原発周辺では毎時5マイクロシーベルトを超える場所もある。

測定値は車道を走る車から測定した数字。山側に近い歩道や草むらなどでは、さらに高い数値になることが予想される。現に地元住民が今年行なった調査では、6国沿いの土壌から1000万Bq/m2単位の途方もない汚染が確認されている。

「放射線量も高いのですが、もっと心配なのは帰還困難区域を走ったダンプカーが頻繁(ひんぱん)に6国を走っていることです。これらの車の荷台など に付着したものを東京大学の教授が測定したところ、12万ベクレルの数値が出ています。ゴミ拾い中にダンプが通り、そこから落ちた放射性物質を子供たちが 吸い込んでしまえば、かなり危険。震災前とは明らかに状況が変わっているのに主催者はそこを考慮しているのでしょうか」(吉田氏)

(略)

清掃活動が終わってから、主催者であるNPO法人ハッピーロードネット代表の西本由美子氏に聞いた。

―開会式の挨拶で「(この清掃活動を開催することには)いろいろなご意見があったが」と発言されましたが、その「いろいろなご意見」というのは?

西本氏「原発反対の人が、なぜそん なところ(6国)に子供を入れて清掃をやるのかという意見が多かった。しかし、私たちはここに住んでいる。広野町の6号線は通学路にもなっていて安全なと ころと思っている。子供たちに故郷を作る、頑張る勇気を与えてあげたいと思ってゴミ拾いを再開した」

―ゴミ拾いすることで、子供が被曝するリスクはどう考えている?

西本氏「私も子供の親。子供に被曝させようと思ってやっているわけではない。空間線量も日々見ているし、子供たちも広野町に戻ってきて、親と一緒に住んでいる。6号は通学路になっているし、生活して安全なところだと思っている。

原発の様子を見ると1時間後が安全かどうかはわからないが、ここで生活している人はそういうリスクを選択した上で帰ってきている。放射線量について判断するのは個々の責任だ」

―ボランティアの測定員が放射線量を測定したら、地表で毎時1.3マイクロシーベルトもあった。「ここに近づいてはいけない」と参加した子供たちに説明していた。

西本氏「線量の高い低いは測る場所にもよる。わざわざ草むらの中を測っても、子供たちはそんな場所を歩かない。場所による線量の違いを子供たちに教えていかないといけない。ここに住む以上はそういうことを私たちが指導することが必要」

(略)

―子供たちへの指導が大切というなら、なぜ開会式の挨拶の中で、放射線量の話に全く触れなかったのか。

西本氏「時間に縛られて、ただの主婦の私はそこまで話す余裕がなかった。私はプロではないから挨拶も上手でない」

ちなみに、西本氏は双葉地方の観光交流大使を務め、福島県のハンサムウーマン第一号。ジャーナリストの櫻井よしこ氏を招いた放射能を考える講演会で 司会を務めたり、やはり櫻井氏のTV番組に「プルトニウムを飲んでも毒性は塩と大差ない」と述べた奈良林直北大教授と一緒に出演したりしている。

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