高校生 憲法、戦争考える 平和のつどい20回目via 東京新聞

つどいは戦後五十年の一九九五年から毎年開催。運営を担うのは、つどいの参加者らで九六年に結成された東京高校生平和ゼミナール連絡会の高校生。広島、長崎への平和学習旅行や被爆者からの聞き取り、他県の高校生との交流なども続けている。第一回から元私立高校教諭の沖村民雄さん(66)が世話人を務める。
 この日は、交流のある沖縄県と福島県の高校生が参加し、それぞれの地元の事情を報告。沖縄県立名護高校二年の渡具知武龍(とぐちたけりゅう)君は「県民は今年の選挙で、米軍基地に反対する強固な意志を示した。もう日本政府は見て見ぬふりはできない」と熱弁を振るった。
 福島県立福島工業高校二年の斎藤一哉君は「学校では放射能の影響はないと言われ、水道水を飲み部活で砂まみれになっている。でも、小児甲状腺がんやその疑いのある子どもが県内で大勢見つかった。自分が誰を頼ってどうすればいいのか分からない」と不安な心境を吐露し、「人ごとと思わず、原発について考えてほしい」と訴えた。
 分科会では、集団的自衛権と憲法九条について全国紙の社説を読み比べたり、沖縄の基地問題を本土の高校生がどう受け止めるか話し合ったりした。イラクやシリアを取材するフリージャーナリスト、安田純平さんや東アジアの歴史体験キャンプに参加した高校生の話もあった。
 当初は連絡会の高校生が五十人ほどいて、つどいにも千人が参加したが、今は連絡会で活動するのは十人ほど。この日のつどいの参加者は九十人だった。沖村さんは「もっと知りたい、話したい、という高校生の思いは今も昔も変わらない。それができる平和ゼミや平和のつどいは大切な場で、これからも続けたい」と力を込めた。

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