原発コストの虚実、孫氏の再生エネ財団 政府計画に反論 via 日本経済新聞

(抜粋)

「原子力は発電コストが安いと言うが、新増設の場合が高くつくのは欧米の事例から明らかだ。フィンランドやフランスで建設中の最新鋭で高い安全性を 備えた原発は、建設費が約1兆円にも達し発電コストは1キロワット時当たり約17円相当とされる。日本では約9円とされるが、安全への投資や廃炉などの費 用を考えれば、今後およそ2倍になることが想定される。コストは石油やLNG火力より高くなり、経済性はない」

――既存の原発の再稼働なら経済性があるのでは。

「老朽化した原発の安全対策に多額な費用がかかるようでは経済的とは言えない。米国では今年5基の原発の閉鎖が決まったが、古い原発は投資をしても引き合わないからだ」

(略)

「産業界からは、工場などの省エネに関して『乾いたぞうきんはこれ以上絞れない』との声をよく聞く。しかし産業部門のエネルギー効率の改善はここ20年以上ほど下げ止まっている。この間に技術革新がないはずはなく、余地はあるとみていい」

――大局でみて、原子力から再生可能エネルギーへの転換の方が利点が大きいと言えるか。

「燃料輸入の増加を抑制するなら原子力より、省エネ推進と再生可能エネルギーの普及の方が効果が大きい。足元の2、3年をみれば確かに原発を動かす方が、 燃料費の抑制に効く。しかし東日本大震災前の電源構成に戻ってしまうと、20年以降を見通した長期では効果が薄くなる。化石燃料の価格がこれから上昇し火 力のコストがあがってくると予測されるからだ。逆にいまここで脱原発の方向性を打ち出し、再生可能エネルギーへの転換を進めて省エネを強化する道を選んだ 方が、長期的には燃料費を抑えることにつながる」

――再生可能エネルギーも発電コストが高いなど様々な課題を抱えている。

「再生可能エネルギーの発電コストは年々下がっている。ドイツ銀行が今年7月に出したリポートでは、18カ月以内に世界の太陽光発電市場の4分の3がほと んどあるいは全く補助金なしに経済的に持続可能になるとしている。またシティグループが10月に出したリポートでは、太陽電池モジュールのコストが急激に 低下しており、20年までに現在の1キロワット時当たり1ドルから25セントまで低下する可能性があるという」

全文は 原発コストの虚実、孫氏の再生エネ財団 政府計画に反論(要無料登録)

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