【清宮涼】2016年度から大改修する広島平和記念資料館本館の展示をめぐり、有識者の検討会議は19日、被爆者の姿を再現したジオラマ模型を撤去することを決めた。改修後は作り物の模型にかわり、実際に被爆者が身につけていた衣服や、壊滅した都市の写真を展示する方針。
ジオラマは1973年から展示され、現在は被爆した女学生らが逃げ惑う様子を表現。見学者に被爆直後の悲惨な様子を印象づけてきた。ところが「残酷で子どもに見せられない」という意見が寄せられるようになり、一方で「実際にはもっとひどかった」という被爆者の声も。改めて被爆者団体や来館者にアンケートをしたところ「被爆資料に力を入れるべきだ」との意見が多く、具体的な議論を進めてきた。
市や資料館には「原爆の恐ろしさを伝えるために必要」などとして撤去に反対する意見が100件以上寄せられたが、委員の一人は「ショックを受けさせるから展示をやめるわけではない。より原爆の真相に近づけるためだ」と話している。
当サイト関連記事: