昨年6月から米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)に留学中のNHK、堀潤アナウンサー(35)が、東京電力福島第1原発や過去に米国で起きた原発事故の現状を取材し、被災者の苦しみを忘れず、事故の教訓を共有しようと訴えるドキュメンタリー映画を作った。
堀アナは「被災住民の思いなど、時間に制約があるテレビ報道ではカットされる内容まで伝えたかった」と話す。近く留学を終えてNHKに復帰する予定で「市民の視点や市民が取材した内容をNHKの報道に取り込む仕組みをつくりたい」と意気込んでいる。
映画のタイトルは「変身」で約70分。深刻な事故を起こしたロサンゼルス近郊の核施設跡地やスリーマイルアイランド原発を訪ね、今も住民が放射性物質による汚染におびえている様子や、逆に事故が風化しつつある現状などを取材した。
福島では、東京電力の協力企業に雇われ、事故処理に携わる作業員に取材。未経験者が原発関連の熟練作業員であるかのように経歴を偽るよう指導される実態も映像に収め、映画に盛り込んだ。
スリーマイルアイランドでは、市民団体が原発周辺の住民にヨウ素剤を配布。放射線の測定装置も設置していて、事故が起きたときに役立ったという。堀さんは「日本はこうした教訓を全く学んでいなかった。メディアで働く者として強く反省させられた」と話した。
堀アナは個人の立場で、取材や編集をしてインターネットなどでニュース発信する一般市民を支援。この活動で知り合った音楽家の坂本龍一が音楽を提供した
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なぜこの記事が、当のNHKでなく、サンケイスポーツで発信されるのか。なぜ、大手メディアは取り上げないのか。なぜ、原発について語ることはタブーなのか。何がタブーを作っているのか。いろいろ考えさせられます。