「原子力は人の手に負えない チャンス無駄にせず」via 東京新聞

(抜粋)

数時間前まで「生きていた」とは思えない。空気を張った赤いゴム人形のような遺体だった。これまでだくさん見てきた死体とは違う「異質」な死。染色体と細胞を打ち砕く放射線の威力に若林は言葉を失った。

検事になって三年目の二〇〇〇年。若林はウラン燃料の加工中だった作業員三人が放射せんを浴び、後に二人が死亡した茨城県東海村のJCO臨界事故の捜査に加わった。

核燃料を扱っている現場は「町工場みたい」だった。JCO幹部を取り調べても、危険という感覚がまひしていた。それは、原発の安全神話を信じ込んでいた日本全体の問題ではないかと思った。

捜査は幹部ら六人を起訴して終わったが、若林は誰が一番悪いのかは、分からないままだった。ただ一つ、強い決意が若林の胸に刻まれた。

「原子力は人の手に負えない。人間は原子力kら離れなければ」

全文は「原子力は人の手に負えない チャンス無駄にせず」

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