「正直、自分が受けたショックの100分の1も描けていない」しりあがり寿が見た3.11とマンガの可能性 via 日刊サイゾー

マンガ家・しりあがり寿が東日本大震災以降に描いたマンガをまとめた単行本『あの日からのマンガ』(エンターブレイン)が話題を呼んでいる。震災か らわずかひと月後に掲載され大きな反響を呼んだ「月刊コミックビーム」(同)発表作や、朝日新聞夕刊に連載中の時事4コマ「地球防衛家のヒトビト」などが 収められた本作。”あの日”から現在進行形で続く信じがたい現実を前に、なぜしりあがり氏は震災をテーマにしたマンガを描き続けているのか。話を聞いた。――「地球防衛家のヒトビト」では3月14日掲載分から震災をテーマにマンガを描き続けていらっしゃいますが、創作意欲は衝動的に湧いてきたものだったんですか?

しりあがり寿(以下、しりあがり) 11日に地震が来た後、すぐに描き始めたんです。衝動的でもあったし、「地球防衛家のヒトビト」という時事ネタを扱ったマンガを描いているのだから、描かないわけにはいかなかったんです。

――震災から1カ月後には岩手県でボランティア活動をされたそうですね。その前後で、描く4コママンガに何か変化はありましたか?

しりあがり ちょっと吹っ切れた感じはありました。僕は小心者だしボランティアとかガラじゃないけど、被災地に 行かずに想像だけで描くっていうのは、どこか気が引けてしまって。本当に描いていいのかな、とか、被災者の気持ちはどうなのだろうとか思うけれど、でも描 かなきゃいけない。どうしたらいいんだろうとモヤモヤしていたんです。でも実際に現地に行ってみると、たとえ2~3日でも、この目で見たことはウソじゃな い。ストーリーがなくてガレキだけしか描いていない回もあるんだけれど、あれはしょうがないよ。何も浮かばなかったんだもの。あれしか浮かばなかった。

――「コミックビーム」に掲載された短編「海辺の村」は特に大きな反響を呼びました。震災から50年後の未来を描いたこの作品ですが、「いつ失われ るか分からない不安の中で豊かな生活を送ることをやめ、いつまでも続く幸せを選んだ」という一節はすごく印象的でした。まるで昭和30年代に戻ったかのよ うに人々はつつましやかに暮らし、福島第一原発の周辺は風力発電でいっぱいになる、という風景は、現在のしりあがりさんが思い描く、理想の未来なのでしょ うか?

続きは「正直、自分が受けたショックの100分の1も描けていない」しりあがり寿が見た3.11とマンガの可能性

This entry was posted in *日本語 and tagged , , , , , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply