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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 松井英介
気骨ある反核医師の生き様から核廃絶の重要性を学ぶ via レイバーネット
『核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集』(松井英介遺稿・追悼集編集委員会・編、緑風出版、3,400円+税、2021年11月)評者:黒鉄好 「。。。」 「株式会社はは」は、福島で、子どもの歯の生え替わりで抜けた乳歯を保存、残留する放射性ストロンチウムのデータを記録し被曝の実態を解明するための民間プロジェクト組織である。放射性ストロンチウムはカルシウムに似た性質を持ち、歯や骨に蓄積しやすいことからこのプロジェクトが発足した。「はは」は2018年に開設したばかりで、まさにこれからという時期に英介さんは旅立った。 評者と英介さんとの関わりは米軍によるイラク戦争に遡る。米軍が使用した劣化ウラニウム兵器の危険性を民衆法廷で証言いただいた。天然ウラン鉱石から原爆や原発の燃料となるウラン235を抽出後、残ったウラン238は核分裂を起こさないため燃料にはならないが、放射性物質であるため利用もできず各国は処分に困っていた。だが地上で最も重い物質である点に米軍が着目し砲弾に転用。砲弾が燃える際に飛散したウラン238を吸って多くのイラク市民が被曝した事実は、英介さんとの出会いなくしては知り得なかった。当時は距離感もイメージできないほど遠い国の出来事と思っていた放射能被曝に、その後よもや自分が遭うことになるとは夢にも思っていなかった。 原発事故後、福島で今後どうすべきか途方に暮れていた私は、郡山市での講演会で英介さんに偶然再会した。「ヒトの肺胞というのは、大人の場合、広げると面積はテニスコート1面分と同じ。福島で生きるということは、その面積いっぱいに放射能を吸うことです」。肺胞の大きさを印象づけようと、両手をいっぱいに広げて話す「英介節」は昔と変わらず健在で、驚きより懐かしさを感じた。それまでの私は、福島原発事故が巨大すぎて現実感覚を持てずにいたが、8年前は写真で見るだけだった遠い異国の放射能被曝者と同じ数奇な運命を、これから自分も生きなければならないのだと厳しい現実を悟った。 […] 全文
追悼 松井英介先生 via 雁屋哲 今日もまた
2020-09-13 松井英介先生が骨髄異形成症候群の為に8月19日逝去された。82歳だった。 心からお悔やみ申しあげます。 私が初めて松井先生とお会いしたのは2013年の4月。 私は、埼玉県に避難していた福島県双葉町長の井戸川克隆さんを訪問した。 「美味しんぼ」で私は福島第一原発事故の問題を取り組んでいた。 その中で、事故当時福島第一原発が存在する双葉町町長の井戸川さんのお話を聞くことは大事だった。 井戸川克隆さんのとなりに松井先生がおられた。 それまで私は松井先生とは一面識もなく、また、失礼ながら先生がどんな方であるかも存じ上げなかった。 (「美味しんぼ」111刊「福島の真実」篇、242ページにその時のことが記録されています) 私は井戸川町長に色々とお話しを伺ったのだが、その話しの流れの中で、松井先生が私に 「福島には何度かいらしているそうですが、体調に変わりはありませんか」 とお尋ねになった。 私は福島をあちこち歩いてまわった。当然放射能の危険性については頭の中にあり、取材中は防護服を着たし、マスクも装着していた。 それなのに、今とはなってはどうしてそんなにいい加減だったのかと自問するのだが、そんな格好をしていたのに、福島を覆っている放射能の影響が自分の体に何か不都合なことを与えているとは全く考えていなかったのだ。 ところが、福島取材を終えてすぐの夕食時に、突然鼻血が流れ始めたのだ。 これは、不思議な感覚で、鼻血が流れるようなこと、例えば鼻を何かにぶつけるとか、そんなことは何も無いのに突然鼻血が流れ出すのだ。痛くもなんともない、何の前触れ的な感覚もなしに突然流れ始める。これは、本当に気持ちの悪い体験だった。 不思議というか不覚というか、私はこの鼻血を放射能に結びつけることを考えつかなかったのだ。 この鼻血と同時に、私は得体の知れない疲労感を覚えるようになっていた。この疲労感は今までに感じたことが無いもので、背骨を誰かにつかまれて地面の底に引きずり込まれるように感じる。 普通の肉体的疲労感とも精神的疲労とも違う。 経験したことのない疲労感に私は苦しんでいたのだ。 だから、松井先生にそう尋ねられて、私は鼻血と疲労感のことを申しあげた。 すると先生は、「やはり」と仰言って、福島では福島第一原発事故の後鼻血を出す人が多い、その疲労感も多くの人を苦しめている、と言われた。 その時私と同行していた福島取材班のカメラマン安井敏雄さんがそれを聞いて驚いて、「僕も鼻血が出るようになりました」と言った。 すると、先達役の斎藤博之さんも「私もそうです、私の場合歯茎からも出血するようになって」と言うではないか。 これには私も驚いた。「ええっ、我々みんな鼻血が出るようになったのか」 それどころか、安井敏雄さんも斎藤博之さんも「ものすごい疲労感で苦しんでいる」と言うではないか。 私たちは福島取材後その日まで会っていなかったので、お互いの体調を知らなかったのだ。 しかし、取材班全員が鼻血と疲労感で苦しんでいたとは驚いたが、その驚きは深刻な物だった。 松井先生は鼻血と疲労感について、他の人の例も上げて医学的に説明して下さった。 私は何事も論理的に考えなければ気が済まない性質なので、松井先生のご説明に完全に納得出来た。 これ以後私が福島の放射能問題を考えるときに、この松井先生に教えて頂いたことが「最初の一歩」となった。 《この鼻血の件を「美味しんぼ」に書いたら、私が「鼻血問題という風評を流して被害を起こした、と批判する人が大勢出て来て、しまいに安倍晋三首相が私を名指しして『風評被害を起こした』と非難した。知性・品性・下劣で、民主主義を破壊し続けて来た上に、2013年のICOで「福島第一原発事故による放射能問題は完全に抑えられている・日本は安全である」と大嘘をつくような、人間としての一切の誠実さを欠いた卑劣で汚穢まみれの男であっても、首相は首相だ、その言葉の影響は大きく、以後、私は様々なところで犯罪者のような扱いを受けるようになった。(現在でも)》 私は福島の放射能問題を考えるときに最初に松井先生に目を開かれたことが大変に大きい。松井先生に私は心から感謝している。 松井英介先生は1938年生まれ。 岐阜大学放射線講座所属。呼吸器病学。肺がんの予防・早期発見・集団検診並びに治療に携わる。厚生労働省肺がんの診断および治療法の開発に関する研究分担者を務めた。現岐阜環境医学研究所及び座禅洞診療所所長。 社会的活動も重ねてこられた。 反核・平和・環境問題に取り組み、空爆・細菌戦などの被害調査や核爆弾使用における「内部被曝」問題にも関わった。 細菌戦調査のため1990年以降中国での調査団に参加し、731部隊細菌戦資料センター共同代表でもある。 2003年全国最大の岐阜市椿洞不法投棄問題発覚、全国研究者たちに呼びかけ調査委員会を結成、地域連合会と一緒に不法廃棄物の撤去、調査活動を行った。 … Continue reading
本紹介『それでもあなたは原発なのか』~日本を代表する論客の講演記録 via レイバーネット
福島第1原発事故とは何だったのか。「3・11」前後を通して識者らの講演記を中心にインタビューやルポを交えた拙著『それでもあなたは原発なのか』を3月、鹿児島市の南方新社から出しました。 肩書を記すまでもない広瀬隆、藤田祐幸、小出裕章、樋口健二、鎌仲ひとみさんらのほか、福島現地で奮闘する石丸小四郎さんや「プロメテウスの罠」 を司る朝日新聞の依光隆明さんら十数人を取り上げています。中でも、漫画「美味しんぼ」の鼻血問題に実名で登場し一躍有名になった松井英介さんには、低線 量の内部被ばくに関して警告を発していただいています。 甲山事件の元被告、山田悦子さんから「さながら反原発の『百科全書』となっています」、レイバーネット関係者では木下昌明さんから「あとがきは、 あなたの切実な思いが伝わってきて胸を打ちました」とそれぞれ封書が届きました。原発労働者で心筋梗塞の労災申請不支給処分取り消しを求めて提訴している 福岡市の梅田隆亮さんからは「私がこれまで読んだ原発の本の中では一番読みやすく、分かりやすい」と口頭で言われました。そのような性格を持つ拙著かもし れませんが、書評に載るほどのレベルではないとも言えます。 続きは 本紹介『それでもあなたは原発なのか』~日本を代表する論客の講演記録 参考:南方新社HP
「美味しんぼ」と「脱ひばく」を合言葉に 松井英介 via 無限遠点
今回私は全く偶然に「美味しんぼ」の作者たちと出会ったのですが、それから1年以上おつきあいしてみて、ある感銘を覚えています。それは、雁屋哲さんと編集部の方たちが、じつに丹念な取材を重ね作品を仕上げられる、その姿勢に対してです。私への取材も昨年の秋から今年にかけて、随分長い時間がかかりました。私も忙しい毎日でしたが、私を惹きつけて離さない力が彼らにはありました。それが、30年もつづいてきた「美味しんぼ」人気の秘密かもしれません。 今回の「美味しんぼ」攻撃の特徴は、東電原発事故の原因をつくった日本政府が乗り出していることです。菅義偉官房長官、石原伸晃環境大臣、環境省、石破茂自民党幹事長ら が舞台に上がりテレビメディアにも登場しています。橋下徹大阪市長や佐藤福島県知事ら は“風評被害”などというわけのわからない言葉を使って、「美味しんぼ」の内容があたかもウソであるかのように印象づける発言をしています。 「美味しんぼ」に描かれていることは事実です。 […] この問題に関して放射線防護の研究者、野口邦和・安斎育郎両氏は、2014年4月29日付毎日新聞紙上で、「被ばくと関連ない」「心理的ストレスが影響したのでは」と述べています。お二人は、血小板が減少し全身の毛細血管から出血するような、1シーベルト以上の大量急性被曝を、鼻血や全身倦怠感など自覚症状発症の条件だとしています。このような考え方は、残念ながら彼らに特異的な事柄ではなく、広く一般の臨床現場の医師にもある誤った認識です。その論拠は、後述する「被曝の健康リスクを知り知らせる」の項をご参照ください。 […] 3.11事故によって自然生活環境に放出された放射性物質は、東電が自らの産業活動の過程で排出したいわば産業廃棄物だと私は考えます。ですから東電が自らの責任において、処理するのが原則です。放射性物質はできるだけ拡散させず、1ヶ所に集めて、言うならば事故を起こした原発の敷地内に集めて管理・処理するべきです。 […] 「大阪おかんの会」の健康調査と大阪府放射性物質濃度調査の問題点 大阪府のガレキ処理による健康影響について熱心に調査を続けてきたお母さんたちがいます(「大阪おかんの会」http://ameblo.jp/osakaokan2012/) […] 低線量放射線被曝の健康影響は、まだ不明な点が多いなどと言う研究者もいますが、そんなことはありません。低線量放射線のとくに内部被曝による健康障害に関する多くの調査研究結果がすでに集積されています。低線量被曝による身体への影響は、2009年に発表されたニューヨーク科学アカデミーの論文集にも、チェルノブイリ事故後の多くの実例が紹介されています。 また、通常運転中の原発から5km圏内に住む5歳以下の子どもたちに2倍以上白血病が多発しているという、ドイツで行われた疫学調査結果も重要です。 […] 1991年成立したチェルノブイリ法の基本目標はつぎのようなものです。すなわち,最も影響をうけやすい人びと、つまり1986年に生まれた子どもたちに対するチェルノブイリ事故による被曝量を、どのような環境のもとでも年間1ミリシーベルト以下に、言い換えれば一生の被曝量を70ミリシーベルト以下に抑える、というものです。 2013年5月に公表された国連人権理事会特別報告者報告と勧告、そしてそのすぐ後に出された核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の声明は、日本政府の提唱する年間20ミリシーベルトは容認できないとし、被曝線量を最小化するためには、年間1ミリシーベルト以上の地域からの移住以外に代替案はないとしました。 全文を読む。
美味しんぼ「健康被害」、異例のスピード抗議 大阪府市 via 朝日新聞
近くの住民に症状が出ている――。大阪での東日本大震災のがれき処理をめぐる人気漫画「美味(おい)しんぼ」の表現に、大阪府と大阪市が「極めて不適切」と抗議した。表現の元になったのは、市民団体のインターネットアンケートだ。「無断で引用されたうえ、府市からも何の確認もない」と団体側は困惑する。現場で何があったのか。 […] ■ネット調査、無断掲載 引用された調査は、がれき受け入れに反対する近畿の主婦らでつくる「大阪おかんの会」がインターネットで実施した。がれき焼却が大阪市で始まった昨年2月から年末にかけて「体調変化が起きたら知らせてほしい」と呼びかけた。投稿数は延べ990件だった。 会は昨年4月、松井医師を講演に招き、その時点の集計結果を伝えた。重複を除くと797人分。のどの異常(585件)、目の痛み・かゆみ(272件)、鼻血(97件)などを訴えていた。居住地は近畿一円で、大阪市内は約3割だった。松井医師は直後に原作者の雁屋哲氏と会い、この調査を紹介したという。 作品の表現では、「焼却場付近の住民1千人のうち800人に健康被害が出た」とも読める。松井医師は「どのように雁屋氏に伝えたかは明確に覚えていないが、作品で問題提起したことが重要。行政による抗議は作者の口を封じる行為だ」と訴える。 一方、会によると回答は自己申告のまま集計しており、実際に症状が出ているのか、回答者は実在するのかなどは確認していない。担当者は調査の趣旨 について「市民らの声を行政に届けるため」と説明。「科学的根拠を得るには、専門家が一例ずつ見る必要がある。だが何の連絡もなく、突然違う内容で掲載さ れた」と困惑する。市の抗議後、ネット上に会に対する中傷が拡散している。 編集部は12日に「議論を深める一助としたい」などとコメント。その後は複数の専門家の見方を示す19日発売号の特集まで見解を示さない予定だ。雁屋氏はブログで「私は真実しか書けない」「内容についての責任はすべて私にある」などとしている。(藤田さつき) ■反論よりデータを 山田健太・専修大教授(言論法)の話 表現の自由は 十分に保障されるべきだ。たとえ間違った理解による描写があったとしても、行政は「根拠を示せ」と迫って抗議や反論をするのでなく、関係者への聞き取りな どの調査を尽くし、データを開示して市民に説明するのが本来の役割だ。公権力が表現に対して抗議を繰り返せば、表現する側は萎縮し、根拠がない限り問題提 起ができなくなる。 全文は 美味しんぼ「健康被害」、異例のスピード抗議 大阪府市 (無料登録が必要です) 当サイト既出関連記事一覧は こちら
「美味しんぼ」登場の医師 「すべて事実。抗議は被災者に失礼」via 中日新聞
綿密な取材を受けた」 小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味(おい)しんぼ」に「岐阜環境医学研究所長」として実名で登場し、原発事故や震 災がれきと鼻血の関連性を指摘している元岐阜大助教授の松井英介医師(76)=岐阜市=は12日、本紙の取材に「すべて事実。実際に異変を感じている人た ちがいる」と主張した。福島県や大阪市などの抗議には「〝事実無根〟というのは、その人たちに失礼だ」と反論した。 放射線診療が専門。福島県双葉町に依頼されて2012年度から町の放射線アドバイザーとして年間数十日、町内に滞在し、多くの被災者から「鼻血が突然出る」「せきが止まらない」「体がだるい」などの症状を聞き取ったという。 続きは「美味しんぼ」登場の医師 「すべて事実。抗議は被災者に失礼」
低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」via kiikochan
松井英介医師 動画+講演書き出し (2011年8月28日 栃木県宇都宮市) 内部被ばく、低レベルにカッコをつけたのは 身体の中に入ってきた小さな放射性物質の粒。 そこから出てくる放射線は、すぐそばにある細胞にとっては、決して低レベルではない という意味でカッコを付けたんですけれども、 何に比べて「低レベル」かというと、 広島・長崎、ピカが光った時のあの放射線、主にガンマー線と中性子線ですね、 それに比べてずっと、こう、エネルギーが低いというか、 あるいはその量が少ないというか、 そういう意味での低レベル、低線量なんですが、 それが身体の中に入ってきて、 繰り返し繰り返し長い間にわたって、アルファ線とベータ線を主に出しますが、 ガンマー線も出しますけれども、アルファ線とベータ線も出すと。 その事がどういう健康障害をもたらすかっていう事について1時間ほどお話しをしたいと思います。 続きは低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」