[…]「私は首相だったとき、専門家の意見を信じていたけど、東日本大震災の後、自分で勉強し直した。11年3月以降、13年の9月まで、原発はたった2基しか動いていなかったし、それから去年の8月に川内原発が再稼働するまではまったくゼロですよ。この夏に伊方原発が動いたけれども、10月から川内原発は順次検査のために止まる。5年以上たっても、せいぜい2、3基しか動いていないけど、暑い夏も寒い冬も、電力不足を理由にした停電は全国で一度も起きていない。日本は原発ゼロでやっていけるんですよ」
●総理が決断するだけ
原発ゼロの話になるとさらに力がこもり、弁は熱を帯びる。
「まだ汚染水だってコントロールできていないし、除染にだって一体いくらかかるのかわからない。5年間、実質的に原発ゼロでできているのに、なおかつ再稼働させるのか。なぜこんなバカげたことをやるのか、不思議でしょうがないんだ。原発ゼロなんて、やるのは簡単ですよ。総理が決断するだけだ。経産省や推進論者はクルッと変わりますよ。日本が決めたら米国だって嫌と言いませんよ。責任もどこにあるのかあいまいで、政府? 規制委員会? 東電? よくそんなごまかしがきくな。不思議だね。いずれわかることだけど、原発ゼロのほうが成長できる。私はますます自信、確信を持っているんだよ。原発がなくなると働き口がなくなるという人がいるけど、雇用の場は、自然エネルギー、新しい産業で出てくるよ」
国内政治は安倍晋三首相の一強体制が続く。
そもそも安倍氏は小泉内閣で官房副長官を務めた。さらに安倍氏を自民党幹事長に抜擢したのは小泉氏だった。
「安倍さんは失敗から学んだんだろうな。第1次政権と、民主党政権の経験。原発ゼロにすれば、ほかの政策もうまくいく、って言っているんだよ。でもそこがわからないんだよね。民進党がだめなんだよな。だから自民党は民進党よりましだと思われているんだ」
●進次郎のほうが優秀
民進党は蓮舫氏が代表に選ばれ、執行部も一新した。民進党にアドバイスするとしたら、と聞くと、
「ただちに原発ゼロを最大の焦点にしろ。それができない限り、民進党の支持は上がらないよ。2030年代にゼロにする? じゃあなぜ今ゼロにしないの?これもわからない。いずれ自民党がゼロを打ち出したら、もう野党はめちゃめちゃだよ」
[…]
もっと読む。