9月15日0時、3年半に渡り規制されていた国道6号の通行止めが解除された。だが、この双葉町~大熊町~富岡町の約14㎞区間は、福島第一原発のすぐ西側を通っている。本誌の調査では内閣府の“公式発表”を上回る線量計の数値を示すなか、すでに1万台以上の車両が毎日利用している実状をリポートした。今回はその番外編として、元双葉町町長・井戸川克隆氏を直撃!
■「国の政策は責任逃ればかり。開通なんてとんでもない!」
帰還困難区域の国道6号線開通によって放射能汚染が拡大しないか。それが県民の不要な被曝につながらないか。大変恐れています。世界最大の原発事故が起きた近辺を通過すれば、当然被曝します。双葉町、大熊町はいまだに10μSv/h以上の放射線量。そこを縦断する国道を一般に開放して住民に健康被害が出たら、誰が責任を持つのでしょう。そもそも開通を決める際、自治体と住民で議論の場があったのか。
県知事は本来、6号線が開通したことで想定される健康被害を検証する方向へ動かなくてははいけません。それが、福島県民の健康より経済優先で政策が進んでいる。私ならどんなに金がかかろうと、第一原発全体にシェルターを被(かぶ)せます。何も対策せずに開通させるなどとんでもないこと。外国ならとても考えられません。
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※避難指示区域の解除要件として、年間の積算線量が20ミリシーベルト以下などと定めた国の方針。これは許してはいけません。今、真っ先にやるべきことは、住民の被曝を防止し、命を守ること。そのためには放射線量をきちんと測定し、正しい情報を提供する。その上で、県民の判断に委ねることが大切です。
除染にしても、個人線量に切り替える政策は国の責任逃れにほかならない。線量計を身に着けても、背中や足の裏の被曝量は測れません。本来ならストロンチウムやプルトニウムも含めて、場の線量をきちんと計測する必要があるのです。
原発事故による2次被害をこれ以上起こしてはいけません。被災者が鼻血を出した話にしても、福島にはたくさん事例があります。それらを隠さず、しっかりと調べていくのが行政の務めです。
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