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Daily Archives: 2019/12/15
あすへのとびら 福島原発を行く 再び首をもたげる過信via 信野毎日新聞
晴れた冬の海を望む高台に立った。約100メートル前方には4棟の原子炉建屋が横一列に並ぶ。 「ここも1年前からマスクやヘルメットがなくて済むようになりました」。福島第1原発を案内する東京電力社員の言葉に、作業を重ねる月日への感慨がこもる。 汚染されたがれきの撤去や地面を覆う処理が進み、構内の放射線量は大幅に低下した。今では特別な装備をせずに歩ける場所が全体の96%に及ぶ。 地下水を原子炉に近づけない地中の凍土壁も昨年9月に造成が完了。20キロ南で事故対応の拠点となったJヴィレッジもサッカー施設として営業を再開した。東京五輪の聖火リレーの出発点になる。 強い風を受けていると、鳥の鳴き声のようなけたたましい音にドキリとした。胸の線量計が被ばくの累積を知らせる。低線量とはいえ、あまり長居はできない。 後ろを振り向くと、隙間なく並ぶ巨大なタンク群が見えた。その数、およそ千基。汚染後に浄化処理をした水をため続けている。 それでも放射性物質は残る。原子力規制委は希釈して海洋放出するよう求めるが、地元の反発は強い。2022年夏ごろには敷地内に保管場所がなくなる。 […] <反省と教訓」とは> あの時、ここも危うかった。 原子炉を冷やす水の循環ポンプが水をかぶって動かなくなり、温度や圧力が高まる緊急事態に陥った。4日後に冷温停止したが、一部の電源が生き残る幸運がなければ、第1原発と同じ過酷事故が起きていたかもしれない。 二つの原発の間に、事故の経緯や現状を伝える東電の施設がある。展示資料や社員は「反省と教訓」を繰り返し説く。 東電は事故の根本原因を▽過酷事故対策の不備▽津波対策の不備▽事故対応の準備不足―とし、背後原因を▽安全意識の不足▽技術力の不足▽対話力の不足―と総括している。 施設内のビデオは、こうした「反省と教訓」の上に「比類なき安全を創造し続ける原子力事業者になる」と強調していた。 言い換えれば、技術や意識を高めて原発を再び動かしていく―との宣言だ。 今も4万人超が帰還できない中、東電は新潟県で柏崎刈羽原発の再稼働を目指している。 <根本から擦れ違う> 事故から何を学び、反省し、教訓とするか。その根本から擦れ違っていると感じた。 原発は高度な技術と大量の人員を動員してようやく成立する。ひとたび暴走すれば取り返しがつかない被害を生む現実こそ教訓だ。 反省すべきも想定の甘さではない。何もかも想定し、制御できるという過信だろう。震災も「想定外」を一つ減らしたに過ぎない。犯罪、テロ、事故、火災、水害、竜巻、地震、噴火―。すべてから「安全」だといえるか。 日本の発電量は減少した。再生エネルギーによる発電が増え、原子力は数%にとどまる。このまま原発依存を脱すべきなのに、安倍晋三政権は30年の電源構成に占める原子力の目標比率を震災前に近い「20〜22%」としている。 再び過信が首をもたげている。九州では原発再稼働で電気が余ると、九州電力が再生エネ事業者に発電の一時停止を指示。経済界は新増設の推進まで叫んでいる。 原発へ通じる国道6号から、人けのない店舗や民家が見える。草木が茂る野原はかつての田畑だ。電光掲示板が当たり前のように放射線量をドライバーに伝えている。時間が止まったような荒涼を目にするたび、恐怖の記憶が薄れていた自分に気付く。 再び原発が暴走すれば、すべてが「人災」だ。反省せず、教訓も生かさぬ政治を容認している私たちが「根本原因」なのだから。 (12月15日) 全文
原発事故で翻弄された日常表現 保原高の教員中村さんが句集出版via 河北新報
原文 福島市在住の俳人中村晋さん(52)が、初めての句集「むずかしい平凡」を自費出版した。東京電力福島第1原発事故で翻弄(ほんろう)され続ける福島の日常を、生活者の視点に立って17文字で表現した。「原発事故とは何だったのかを振り返るきっかけにしたい」と話す。 中村さんは保原高(伊達市)定時制課程の教員。俳句を始めた1995年ごろは自分の身の回りを詠んだ句が多かったが、福島市内の高校の定時制教員になった2004年ごろから作風が変化。さまざまな事情を抱える夜学生の境遇といった社会に目を向けた作品が増えた。 東日本大震災後は、原発事故によって甚大な被害を受けた福島県の被災状況を詠んでいる。「むずかしい平凡」に収めた259句の中には、原発事故後の思いをつづった58句が含まれる。 春の牛空気を食べて被曝(ひばく)した 福島第1原発20キロ圏内で飼われていた家畜の牛は圏外へ運び出されずに被ばくし、多くが餓死したか殺処分された。中村さんは「残された牛の切なさ、酪農家のやるせなさをストレートに表現した」と言う。 作った11年5月は事故後の混乱で創作意欲を失っていた。ある朝、目が覚めて思いついたという句は、師匠の金子兜太(とうた)の作品<猪(しし)がきて空気を食べる春の峠>がモチーフになった。「この句がポンと浮かんで、これからも俳句ができると思った」 蟻(あり)光るよ被曝の土を埋めし土も 除染土を埋めた自宅の敷地で、アリが動いているのを見て詠んだ。中村さんの句には「蟻」「蠅(はえ)」といった小さな生き物が多く登場する。「多くの命が失われた震災を経て小さな命を慈しむ思いが強くなった。原発事故に翻弄される人間がハエのような小さな存在に思えるようにもなった」と語る。 句集のタイトル「むずかしい平凡」は、震災で当たり前の暮らしを続けることがいかに難しいかを実感して付けた。同時に感じるのは、行政による復興が効率優先で進められているのではないかという疑問。経済的な豊かさを最優先に復興を加速させた戦後日本の復興とも重なるという。 中村さんは「戦後の日本は復興を進めるあまり人間性が置き去りになった」と強調。「句集を通して一度立ち止まり、本当の震災復興とは何かを問い直してほしい」と話す。 四六判161ページ、1540円。出版元は「BONEKO BOOKS」。連絡先はメールでbonekobooks@gmail.com
窮屈で笑えない社会から逃げずウーマン村本はネタにする【今週グサッときた名言珍言】via niftyニュース
「お客さんがみるみるうちに、どの顔で聞いたらいいかわからない顔(になっていくの)が最高でした」(村本大輔/フジテレビ「THE MANZAI」12月8日放送) ◇ ◇ ◇ 年に一度の漫才の祭典である「THE MANZAI」に出演したウーマンラッシュアワー。ボケ担当の村本大輔(39)は、自身が大飯原発がある福井県おおい町出身であると前置きした上で、「原発原発原発原発原発原発原発原発原発、皆さんが日頃から逃げてる言葉を一気に浴びせてやりましたよ!」と不敵に笑った。 彼らのネタは原発問題に始まり、沖縄の基地問題、台風避難所でのホームレス受け入れ拒否問題、さらには朝鮮学校が抱える問題へと続いた。そんな漫才を終えて感想を語った言葉を今週は取り上げたい。確かに今、テレビで放送する漫才でこのような話題を扱う芸人はいないから、客が困惑するのも無理はない。 […] アメリカでは当たり前のように、お笑いには社会問題などが出てくる。けれど、日本でそれを出すと逆に「笑いから逃げてる」と言われてしまうと彼は嘆く。テレビに出ないと芸人は「消えた」と言われてしまうが、自分の本業は漫才師。「だからおれはいつでもどこかのセンターマイクの前にいる」(村本大輔「note」19年12月8日)と村本は言う。 ネタ中にも村本は「みんながどういうテンションで聞いたらいいか分からないと言われました」と明かす。その「みんな」の中に、原発や基地問題、朝鮮人差別で苦しむ人は入っていない。村本は「いつでも『みんな』の中にいない人がいて、『みんな』の中にいない人が透明人間にされて、透明人間の言葉は誰も聞かれないようになる」とネタを続けた。 今の日本では、政治や社会問題を漫才に入れると笑いにくくなり、そんなのは漫才じゃないと言われたりもする。けれど、それこそが窮屈で笑えない社会だと、村本はセンターマイクの前で自分の考える「漫才」にこだわり続けるのだ。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―) 全文
EU leaders include nuclear energy in green transition via Japan Times
BRUSSELS – European Union leaders agreed Friday that nuclear energy will be part of the bloc’s solution to making its economy carbon-neutral by 2050, allowing them to win the support of two coal-dependent countries. EU heads of state and government agreed … Continue reading
廃炉時代到来へ 原発解体、後始末に数十年 via 日本経済新聞
日本で原子力発電が始まって60年近くが過ぎ、運転を終えた原発を解体する本格的な廃炉時代を迎えた。一般の商用原発では18基の廃炉が決まり、今後も増える見通しだ。東京電力福島第1原発事故の影響で安全規制が厳しくなり、研究用の原子力施設も廃止が続く。後始末の作業は数十年かかるうえ、廃棄物の行き先が決まっておらず、出口は遠い。 (略) 廃炉の第1段階は核燃料搬出などの準備期間、第2段階でタービンなど原子炉以外の設備撤去、第3段階が原子炉解体、第4段階で建物を解体する。浜岡1、2号機は第2段階の後半で、23年度に第3段階に入り、36年度までに建物の解体を終える予定だ。 解体技術は確立しているが、問題は放射性廃棄物の量をどう減らすかだ。日本全体では一般の原発で18基の廃炉が決まった。11年に炉心溶融事故を起こした福島第1原発の6基を含めると24基。日本で稼働した57基の約4割を占める。40基近くの原子炉の廃止が決まっている米国などに次ぐ規模だ。 低レベル放射性廃棄物は浜岡1、2号機では約2万トンに達する。全国18基で16万トン超にのぼる。第3段階での発生が多く、遠からぬ将来に廃棄物の行き先が問題になる。 廃棄物は汚染レベルの高い順に「L1」「L2」「L3」の3段階に分かれ、電力会社が処分する責任を負う。受け入れ自治体を探すのは容易ではなく、処分場のメドはほとんどたたない。 地下70メートルより深くに約10万年埋めておく必要があるL1は規制基準も整備されていない。1998年に運転を止めて最初に廃炉作業を始めた日本原子力発電の東海原発(茨城県)は真っ先に影響が出そうだ。「廃棄物を入れる容器の基準ができないと、原子炉の解体を始められない」(日本原電)。当初は17年度に廃炉完了の予定だったが、廃棄物問題もあって30年度に変更している。 福島第1事故の11年以前に廃炉が決まっていたのは、日本初の商用炉である東海原発、浜岡1、2号機の3基のみだ。 (略) 電力各社は安全対策費と原発の再稼働で得られる利益をてんびんにかけて、経済性に見合わない原発の廃炉を決める。廃炉の数が増えるうえに処分場の整備も滞れば、全国の原発で放射性廃棄物が敷地内に残り続ける。廃炉作業が遅れる恐れもある。廃炉時代にやるべきことが問われている。 全文は廃炉時代到来へ 原発解体、後始末に数十年
Two buildings that survived the A-bomb in Hiroshima to be demolished despite opposition via The Japan Times
HIROSHIMA – Two buildings in Hiroshima that survived the 1945 U.S. atomic bombing are to be demolished as they have grown old and are at risk of collapsing in the event of an earthquake, a local committee said recently, despite calls … Continue reading