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Daily Archives: 2019/12/29
「黒い水」飲む羊、ここはウランのぼた山 秘密都市の今 via 朝日新聞
「私書箱200号」という暗号で呼ばれた旧ソ連の秘密都市があった。中央アジア・キルギスにあるマイリ・スウ。2万人ほどが住む谷沿いの町では、第2次世界大戦の終戦翌年の1946年からウランを採掘、精錬した。 45年8月に広島、長崎に米軍が原爆を投下すると、危機感を抱いたソ連は原爆開発を本格化、49年に最初の核実験に成功した。 東西冷戦が本格化し、軍拡競争が続く中、核の超大国だったソ連は崩壊直後の92年にかけて、「5万5千発」もの核弾頭をつくった。可能にしたのは、各地の施設を結ぶ広大な核兵器製造ネットワークだった。旧ソ連が15の国に分裂した今、核保有国の地位を継承したロシア以外の国々には、核に関連する施設が放射能汚染とともに残る。 その一つがマイリ・スウだ。冷戦終結から30年。10月下旬、町を訪ねた。 夜明け前、ウズベク系の男性が柵の扉を開くと、150頭ほどの羊が飛び出し、河原で水をのみ始めた。川の名前も同じマイリ・スウ。「黒い水」という意味だというが、周囲には原油がしみ出す場所もある。この川のそばには、かつてウランの精錬所だった廃虚が残る。川の水は飲用には適さず、地元住民は数キロ先の水源に頼る。 家畜の羊を追う男性について草に覆われた斜面を上っていくと、放射能マークのついた標識が現れた。一帯はウラン鉱石の破片やウランを取り出した後の残渣(ざんさ)(残りかす)を埋めた「ぼた山」。土をかぶせているが放射線量が高い所が点在する。 山々と一体化したぼた山は大規模なものだけで23カ所、総量は200万立方メートル超、東京ドームの1・6倍を超える。含まれる放射性物質の量は1100兆ベクレルに及ぶと、国連欧州経済委員会はかつて報告書で指摘した。2006年、環境汚染問題に取り組む米NGOブラックスミス研究所(現ピュア・アース)は、「世界で最も汚染されている場所トップ10」として紹介した。 (略) ぼた山を一緒に歩いたドイツの技術者ユルゲン・ハルシュ博士は「水を大量に含むウラン残渣もある。地震などで液状化したら危険だ」と語った。 中央アジアは地殻変動が活発で巨大地震の可能性もある。これまで世界銀行や欧州連合(EU)などが細々と支援してきた。欧州復興開発銀行(EBRD)は、今後の対策に3千万ユーロ(約36億円)が必要と計算する。 68年ごろに採掘が中止されるまで、多くの鉱夫がウラン鉱石を1万トン、手作業で掘り出した。 「彼らはみんな若くして死んだよ。50とか55とかさ」。クルマナリと名乗る50代の男はそういった。 なぜ若くして死んだのか。 「ウラン鉱山の鉱夫だったおやじは言ってたよ。坑道から戻ると、切り子ガラスのコップの前に列ができている。コップに注がれたウォッカを飲み干してから、シャワーを浴びる手はずだが、キルギスでは(ムスリムで)酒を飲まない人も多いので、ウォッカは捨てられちゃう。そして、多くが早死にする」 ウオッカやウイスキー、赤ワインなどアルコール飲料が放射線障害に効く、という旧ソ連の迷信は、原爆投下直後の広島と長崎に入り、生き残った旧ソ連のスパイの体験に端を発するといわれる。この鉱山だけでなく、86年のチェルノブイリ原発事故後も、現場周辺ではウォッカが大量に飲まれた。アルコール飲料を飲むかどうかが生死を分ける。そんな迷信がここでも生きていた。 EUの援助でなされた06年のベルギーの研究機関の調査では、マイリ・スウの鉱山跡近くの住民の外部被曝(ひばく)線量は年間3ミリシーベルト程度、食べ物などからの被曝を合わせると年間22~39ミリシーベルトとされた。参考までに、日本人の平均被曝線量は東日本大震災前の調査をもとに年間5・98ミリシーベルトとする推定もある。 鉱山付近では、がんの発生率が健康な人の2倍とする疫学調査の結果もある。だが、それが放射性物質に起因するかどうかははっきりしていない。 (略) アイダルと出会った近くの建物には、巨大な壁画が残されている。 「H2O(水)」と「C6H6(ベンゼン)」、核や原子力を表すかのようなシンボルとともに、男女が化学実験を行っているような図柄だ。専門家によると、ベンゼンは鉱石からウランを抽出するための溶媒の象徴と考えられる。 アイダルのようなウランの谷に残された人々は、精錬所や坑道跡のそばで羊や馬を飼う。家畜はやがて食卓にのぼる。そこには、知られざる核の遺産とともに生きる日常がある。(キルギス西部マイリ・スウ=松尾一郎) 全文は「黒い水」飲む羊、ここはウランのぼた山 秘密都市の今
常磐線再開「内部被ばくの危険性」 動労水戸、試運転で抗議声明 via 東京新聞
JR東日本の社員で組織する労働組合「動労水戸」(石井真一委員長)は二十日、東京電力福島原発事故の影響で不通となっているJR常磐線富岡(福島県富岡町)-浪江(浪江町)間で十八日から三日間実施された試運転について「放射性物質を大量に拡散するものであり、到底認めることのできない暴挙」との抗議声明を発表した。 (略) 抗議声明では「除染したのは鉄道用地内だけであり、除染後も高線量の所がある」と指摘した上で、「乗客も乗務員も内部被ばくの危険性がある」と全線再開に重ねて反対した。 動労水戸の抗議に対し、JR東日本水戸支社の雨宮慎吾支社長は二十日の定例会見で「除染は当社の敷地内ではかなりやっており、放射線量は確実に下がっている。社員の健康はしっかり見ている」と反論した。 (佐藤圭、水谷エリナ) 全文は常磐線再開「内部被ばくの危険性」 動労水戸、試運転で抗議声明 当サイト既出関連記事:避難解除、双葉3月4日、大熊5日〜帰還困難区域の一部via OurPlanet-TV
原発事故経ても忖度ばかり 安全神話、まるで進撃の巨人 via 朝日新聞
2011年に起きた東京電力福島第一原発事故をめぐり、国会は同年12月、民間人からなる独立の事故調査委員会(国会事故調)を1年間の時限で設けた。事務局で実務を担った石橋哲さん(55)は、今も高校などで事故調報告の神髄を語り続ける。何が石橋さんを動かしているのか。 ――国会事故調が解散して7年以上経ちます。今も事故調の話をするのはなぜですか。 「事故の背後には、自らの行動をずっと正当化し、責任回避を最優先し、記録を残さないできた不透明な組織と制度があり、それらを許容する法的な枠組みがあったと事故調は指摘しました。その根本原因の解決に向けて不断の改革の努力を尽くすことが、国民一人ひとりの使命だと報告書に書いたからです」 「国会事故調は、国会が憲政史上初めて作った独立調査委員会です。事故が起きた11年の12月にでき、翌12年7月に592ページに及ぶ報告書を衆参両院の議長に提出しました。委員10人の下、最盛時は約100人のスタッフが延べ1167人の関係者に900時間以上話を聴き、東電や規制官庁に2千件以上の資料を請求して、事故原因や再発防止策を探りました」 (略) 「目が回るような忙しさの中で迎えた12年の3月11日、小学生だった次男が親の仕事について調べる宿題だったのでしょう、『1年経って世の中はどう変わりましたか』『あなたは何をしましたか』と尋ねてきました。頭を殴られたような衝撃がありました。本当に自分事にしてきただろうかと考えたのです」 「報告書の公表後、『これで日本は変わるね』と友人に言われましたが、むしろ、これからが大事だと思いました」 「そこで友人や知り合った高校生、大学生らと『わかりやすいプロジェクト』という活動を始めました。報告書の内容を一人でも多く知ってもらおうと、メンバーが手作りで動画などにまとめ、ウェブで公開しています」 ――13年から福島県立福島高校が開くゼミで毎年、講師をしているのも、その延長ですね。今年は名刺入れの色を話題にしました。 「日本社会にはびこり、原発事故の大きな原因でもある同調や忖度(そんたく)について考えてもらいました。ふたりきりの密室で、人事や評価で絶対的な力を持つ上司が言い張れば、黒い名刺入れでも『茶色』になりがちです。評価を気にする優秀な人ほど『黒』とは言わない。でも、大勢の人が見ていれば『いや、それは黒でしょう』と指摘できます。社会には公開性や透明性が必要なのです」 (略) ――ゼミの最後は「災害は病気と似ている」という話でした。 「事故や災害が起きると、様々な問題が一挙に顕在化します。それは慢性の病気が急に悪くなった状態に似ています。解熱剤で発熱を抑えるなどして一時的に楽になったとしても、もとの病気を治さなければ再発します」 「顕在化した問題は氷山の一角です。本当の原因は、その前から抱えていた制度的な欠陥・問題で、そちらの方がずっと重要ですが、十分に議論されていません。メディアの注目も足りません」 「次の大事故が原発とは限りません。新しい情報通信技術で全ての人とモノがつながる『ソサエティー5・0』が目前ですが、新種のマルウェアは1日200万種も生まれているとされます。事実上お手上げだから、前提となるはずのネット空間の安全については、みな口をつぐんでしまっています」 ――ゼミの牽引(けんいん)役で、第一原発に近い浪江町出身の高橋洋充先生は「原発事故は考えもしなかった。直後は誰が悪かったんだと犯人捜しばかりしていた。6年前に石橋さんの話を聞き、思考停止していた自分にも責任はあったんだと気づいた。取り返しがつかない後悔だが、君たちはいま気づけて幸せだ」とコメントしました。 「どんな思いで話されたかと考えると、胸が詰まります」 「一方で生徒からは『理想論ではないか』『報告書の提言が実現していないなら、実現に向けてどんな手を大人は考えているのか』といった厳しい意見も出ました。一つひとつ突き刺さりました」 (略) 「事故調はたかだか半年活動しただけで、手を着けられなかった問題がたくさんあります。なので国民の代表である国会で調査や議論を継続するよう提言したのですが、ほとんど実現していません」 「未解明部分の原因究明や、原子力をめぐる組織的・制度的問題の解決など、大がかりな取り組みになるので、実施計画を作って進み具合を国民に公表することや専門家による独立調査委員会を活用することといった具体策も挙げてあるのですが……」 「この間、米国の連邦議会は専門家に依頼し、福島第一原発事故について2年間かけた調査を2回実施しています」 (略) ――国会を含め、日本社会はなぜ変わらないのでしょう。 「変えるより変えない方が楽で合理的だからです。国会議員にとっては有権者の支持を集めることが重要です。『どうすればいいだろう』と議論で悶々(もんもん)としている姿より、見栄えよく誰かを非難している様子が報道された方が票につながると思うから、変わらないのです。そういう有権者、商業メディアだからです」 ――絶望的な気分になります。 「何もせずに国会が悪い、政治が悪いと言っていても、何も変わりません。昨日と同じような行動を選択するから、昨日と同じような日がまた一日延びるのです。社会は与えられるものではなく、『私』が『今』創るものです。自分を変えることは一番簡単です。国会議員も自分の周囲の有権者がどう考えているかを見ています。『変えることが合理的なんだ』と思えば、必ず変わります」 (略) 「若い人たちと話すたびに目が開かれます。自分の言葉が自分に返ってきて痛くて仕方ないけど、楽しいから続けています。11年の原発事故で私たちは生まれ変わったのだと考えれば、若者も私もみんな同じ8歳の仲間なのです。地味に、しつこく、前に進みます」(聞き手・大牟田透) ◇ 〈いしばし・さとし〉 1964年生まれ。日本長期信用銀行、産業再生機構などを経て、国会事故調入り。現在は複数の民間企業役員の傍ら、東京理科大学教授。 全文は原発事故経ても忖度ばかり 安全神話、まるで進撃の巨人
Congress Demands Investigation Into the U.S.’s Nuclear Coffin via Popular Mechanics
The Runit Dome is leaking radioactive waste into the Pacific Ocean. By Kyle MizokamiDec 27, 2019 The U.S. Congress has ordered an investigation into the so-called “Runit Dome,” a concrete dome containing contaminated radioactive debris leftover from nuclear weapons tests. The Department … Continue reading
【105カ月目の福島はいま】答えない、はぐらかす…2019年最後の福島県知事定例会見でも貫いた「内堀話法」。原発事故被害者に〝寄り添うポーズ〟は今年も健在 via 民の声新聞
イエスかノーか。記者の質問には一切、答えない。原発事故に伴う問題に関する考えを問われても一切、答えない─。福島県の内堀雅雄知事は今年も、記者クラブとの定例会見で〝内堀話法〟を存分に発揮。肝心な質問には何も答えないまま、原発事故被害者の切り捨てを進めた。口では「福島には光と影の両面ある」と言いながら、実際には「影」は封印して「光」にばかり言及している。来年は東京五輪の聖火リレーや野球・ソフトボール開催で「原発事故から立ち直った福島の姿」を世界に発信したい内堀知事。水害被害も含めて「影」はますます封じ込められていく。 (略) 口火を切ったのは朝日新聞の記者。2020年3月にJヴィレッジからスタートする聖火リレーのルート選定に関する質問だった。 「このルートが『福島の今』を伝える手段として最適だと思いますか?知事の言う『影』とは今回のルートのどこにあるのでしょうか?」 しかし、内堀知事は用意した答えを棒読みするばかり。「東日本大震災からの復興のシンボルであるJヴィレッジをスタートし、復興に向けて挑戦を続ける福島の姿や魅力を広く発信することができるルートだと考えております」。これでは記者が納得しないのも当然だ。「『今の福島』を伝えるのに最適だと思いますか、あるいは知事のおっしゃっている『影』とはどこにあるのですかという質問だったのですけれども」と再質問した。 内堀知事は「はい」と大きくうなずいたが、質問に正面から答えなかった。 (略) 「そもそもこのオリンピックについて、安倍首相は2013年9月に situation is under control つまり『原発はアンダーコントロールだ』という言葉を使ってオリンピックを誘致しました。福島県知事として今、原発は『アンダーコントロール』だと思いますか?」 これにも的外れな答えに終始した。 「福島第一原発の廃炉対策が福島の復興にとって極めて重要であります。私自身が毎年のように原発へ伺って、一年一年で進展した部分も見ておりますし、一方で御承知のとおり、燃料デブリの対応や汚染水対策など、まだまだ解決しきれていない、あるいは今後の展望が明確でない廃炉対策の部分が残っていると思います」 記者は当然、こう続けた。 「質問は『アンダーコントロール』と思うかどうかだったのですが」 うんざりしたのだろうか。内堀知事はやはり得意のフレーズで質問を切り捨てた。 「ただいま申し上げた通りでございます」 記者は「『アンダーコントロール』だと思わない?」と畳み掛けたが、内堀知事は司会役の広報課職員の方に顔を向け、察した職員が次の質問に移した。まさに阿吽の呼吸だった。他社の記者は沈黙を貫いていた。 (略) 【「光」ばかりの聖火リレールート】 「福島の光と影」は内堀知事の常套句だ。 (略) 知事の言葉には〝自主避難〟の問題など無い。しかも、実際に決められた聖火リレーのルートからは『影』の部分など見えない。家屋解体が進み、帰還率も11月末現在で6%強にとどまっている浪江町は、福島ロボットテストフィールド浪江滑走路からスタートし、福島水素エネルギー研究フィールドでゴールする約600メートルがルートとして採用された。浪江町役場から徒歩で約1時間もかかるような〝異空間〟を走って世界の人々は浪江町の何を理解出来るのか。 (略) 原発事故に伴う〝自主避難者〟への住宅無償提供が打ち切られても、国家公務員宿舎に入居する避難者を相手取って〝追い出し訴訟〟を起こす議案が県議会で可決されても、知事に厳しい質問をぶつけるのは一部の記者にすぎない。知事の外遊に地元紙記者が「同行取材」するのは恒例となっている。 なお、筆者は複数回にわたって知事会見で質問をしたいと記者クラブに申し入れているが、いずれも答えは「NO」だった。「部屋の最後方で立って写真を撮影するなら構わない」と「オブザーバー参加」のみ許されている。幹事社によって表現は異なるが、地元紙の記者は筆者に対し「フリーランス記者に質問を認めたら記者クラブの存在意義が無くなる。あなたが知事会見で質問する事は未来永劫無い」と言い放った。 全文は【105カ月目の福島はいま】答えない、はぐらかす…2019年最後の福島県知事定例会見でも貫いた「内堀話法」。原発事故被害者に〝寄り添うポーズ〟は今年も健在