原発専業の日本原子力発電(原電)が再稼働をめざす東海第二原発(茨城県)に対し、東京電力ホールディングス(HD)は28日の取締役会で安全対策工事の資金を支援すると正式に決めた。支援額は2200億円超とみられる。これを受けて原電は防潮堤などの工事を本格化させる。ただ、地元自治体が再稼働に同意する見通しは立っておらず、東電は巨額の資金を回収できなくなるリスクを抱えることになる。
東電HDの大槻陸夫・常務執行役は28日の中間決算の会見で、資金支援の理由について「東海第二はお客様に低廉で安定的かつCO2の少ない電気をお届けすることに資する電源として期待できるとの結論に至った」と話した。だが、支援額や原電からの電気の買い取り価格など具体的な内容は「競争情報なので差し控える」として説明を拒んだ。
福島第一原発事故を起こし、国費投入で実質国有化された東電が他社の原発の資金支援をすることへの批判や、説明責任を求める声が強まりそうだ。
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