東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された廃棄物を巡り、東北・関東の最終処分場128施設の約2割が、国の基準とは別に自主基準を設けて受け入れを制限していることが環境省の調査で21日までに分かった。
国の基準(放射性セシウム濃度1キログラム当たり8千ベクレル)を超えるものは指定廃棄物として、国の責任で処分する。基準以下であれば通常のごみと同じように処分できるが、地域住民の反応を気にして処分場が独自の厳しい基準を設定しているとみられる。
調査は2016年9~11月に10都県の最終処分場141施設を対象に実施、128施設が応じた。自主基準がある施設は27、なしは99で、無回答が2だった。自主基準は、1キログラム当たり3千ベクレル以下の施設が6、3千ベクレル超5千ベクレル以下が5、5千ベクレル超8千ベクレル以下が15。ほかに1施設が表面線量毎時0.5マイクロシーベルト以下を基準とした。
自主基準を設けた茨城県内の民間処分場は取材に「国が安全と言っても、自治体と相談してより低い値とした」と説明。同県内の別の処分場は「地域住民が不安を感じるため、指定を解除しても汚染廃棄物は一切受け入れられない」と拒否感をあらわにした。
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