憲法記念日 原点は反戦・反核 ゴジラで読み解く平和憲法 via 毎日新聞

和歌山信愛女子短大の伊藤教授 第1作から29作目まで分析

 「ゴジラから読み解く平和憲法」。そんないっぷう変わったテーマで憲法を教え始めた教授がいる。1954年公開の第1作から、興行収入約80億円のヒットとなった2016年の29作目「シン・ゴジラ」まで、シリーズ化された映画を分析。終戦直後、冷戦、現代と、怪獣ゴジラに対する政府の対応や登場人物の描かれ方の移り変わりを指摘し、非戦の決意とともに生まれた憲法の意義を問い直す。

「ゴジラの原点は、『反戦・反核』だったのです」。4月26日、和歌山信愛女子短大(和歌山市)であった今年度最初の憲法の授業。担当する伊藤宏教授(メディア論)が第1作当時の白黒映画のカットを印刷した資料を配ると、新入生は興味深く見入った。

 ゴジラ襲撃後の焼け野原は、空襲や原爆投下後の情景そのもの。米国のビキニ環礁水爆実験で日本漁船が被ばくした第五福竜丸事件が映画のモチーフだったことにも触れ、ヒロシマ・ナガサキの記憶が新しい時代背景など作品に込められた核の恐ろしさを強調した。

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安倍晋三首相が「憲法9条への自衛隊明記」の構想を示すなど改憲の議論は持ち上がるが、選挙権を持つ学生の関心は高くない。「憲法が時代にそぐわなくなったのではなく、憲法が目指した社会を忘れてはいないか」。そんな問題意識から、戦後日本の平和主義の根幹をなす9条など憲法の成り立ちを学んでほしかったという。

 授業のため、過去の作品から平和や憲法につながるシーンを抜き出した。84年公開の第16作で、米国とソ連が日本政府に対し、日本に上陸するゴジラに核攻撃することを認めるよう迫る場面もその一つだ。首相は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずの「非核三原則」を示し、「貴国に上陸したら、核を使えるのか」と切り返して両国首脳を納得させ、反核の姿勢を貫いた。

 伊藤教授は「改憲・護憲を訴える前に、憲法を知る『知憲』が欠かせない。60年余続くゴジラシリーズを通して、憲法を取り巻く社会の変容を見つめてほしい」と話す。【飯田憲】

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