写真家・中筋純が撮り続ける「原発事故」の真実! 時間が止まった街が廃墟化する過程…現在の福島は日本の未来の姿だ! via TOCANA

日本屈指の廃墟写真家中筋純は、原発事故の地チェルノブイリ、そして、福島の帰還困難区域やその周辺に定期的に通いながらドキュメントを続けている。

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2013年、東京オリンピック開催が決定したとき、中筋は「フクシマを消しにかかるな」と直感したという。だからこそ、福島原発事故の傷跡を写真として記録し続けることへの使命感に燃えるのだ。

2018年3月7日~3月18日、あざみ野の「スペースナナ」にて、中筋純写真展『流転 福島&チェルノブイリ』が開催された。展示会場にお邪魔して、話を聞いた。

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――チェルノブイリは事故から30年以上経って、中筋さんが撮られた、立ち入り禁止区域で自給自足で生活する老婆たち(サモショール)もかなり高齢と聞きました。

「彼らは慣れ親しんだ土地が一番いいというんです。チェルノブイリはいまも30キロ圏内立ち入り禁止、それでも彼らはそれを無視して勝手に戻って暮らしています。ただ最近は高齢化に伴い限界集落化が進み、最近では圏外の福祉施設への入居を希望される方も多いと聞きます」

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――いまの原発の状況はどうでしょうか?

「デブリ(溶け出した核燃料)の状況が特殊技術でわかるようになってきたのは良かったけど、政府や東電がデブリを早く取り出そうとしているのか謎ですね。今は臨界していない安定状態だから、使用済み核燃料を取り除いた後はデブリの放射線量が減衰するまでこのまま封じ込めてしまえばいい。原子炉の形態、事故の形も違うからチェルノブイリと比較するのもおかしいですが、チェルノブイリの新石棺広報官の話から得た印象では、廃炉行程の計画が数十年単位の大雑把なもので彼らはもう燃料を取り出さず、ずっと封じ込めていくしかないと考えているんじゃないかと。福島第一原発もそうするしかないと思います」

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――改めて、福島原発事故が日本に与えた影響とは何でしょうか?

「いろんなことがあるけど、深刻なのは日本が分断されてしまったことでしょう。原発事故を通して、国は本当のことを教えてくれないとわかって、政治や社会の運動に関わろうという人たちが出てきました。でも、その反動でますます国に依存しちゃう人たちもいます。さらに全てに無関心な平和な人たち、それも結構大多数。そんな三極構造が露わになってしまったんです。その結果、マイノリティーなものに対する寛容度がなくなってきたように思います」

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※掲載した写真は、中筋純写真集かさぶた 福島 The Silent Views』より。今年7月、ドイツ・フランクフルトで行われるグループ展『After Fukushima』に出品を予定している。

【関連書籍】
かさぶた 福島 The Silent Views』(東邦出版)
定価:本体2000円+税 絶賛発売中!

【概要】
人類の “英知” とまでいわれた原発は私たちの目の前であっけなく崩れ落ち、福島の大地は深い傷を負った。自らの傷を癒すかさぶたのごとく草木は大地を覆い尽くし、季節は流れていく。人間不在の街で、逞しくも躍動する自然の力強さ。福島第一原発周辺街の5年間を、約120枚の写真とともに振り返る。

全文は写真家・中筋純が撮り続ける「原発事故」の真実! 時間が止まった街が廃墟化する過程…現在の福島は日本の未来の姿だ!

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