福島事故前に後戻りvia 中日新聞

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二〇一三年に始まった3、4号機の審査で関電は、規制委の指摘で想定する地震の強さを繰り返し引き上げた。二つの断層の連動から三連動へ。断層の深さも厳しく見積もるように求められ、揺れの強さは建設当初の想定の二倍以上になった。

 それでもなお、計算式の抱える過小評価を指摘したのが、規制委の委員長代理として想定の引き上げを求め、一四年に退いた島崎邦彦東大名誉教授だった。熊本地震の事例から、関電や規制委が認める計算方法に問題があることを訴えた。

 だが、規制委は結局、島崎氏が提案した計算方法にも疑問があり、現時点でほかに妥当な方法がないとの理由で、想定を見直さなかった。この論理は「どこかで割り切るしかない」という福島の事故前の規制当局と似ている。

 東日本大震災後、繰り返し「想定外」という言葉が使われた。あの巨大地震や津波を予想できなかった専門家は、代々受け継いできた土地と営みを奪われた人たちの姿に、科学で分かることの限界を痛感したのではなかったか。もし自分が近くに住んでいたら「現時点でよく分からないから仕方ない」で済むだろうか。今回の結論には、その視点が欠けている。

 

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