放射線治療で認知症に?全脳照射なしでも放射線治療の生存率は変わらなかった via Medley (JAMA)

脳転移がある231人で検証

がんの脳転移の治療法に放射線療法があります。効果はあるとされる一方で、認知機能などに影響が出ることもあります。ある場合について、放射線療法を追加しても生存期間は変わらず、認知機能の低下があったことが報告されました。

アメリカとカナダの研究班が、がんの脳転移に対する放射線治療についての研究結果を、医学誌『JAMA』に報告しました。

この研究では、脳に1個から3個の転移があるがん患者が対象とされました。

放射線療法として、定位放射線照射と全脳照射を組み合わせることの影響が検討されました。

(略)

次の結果が得られました。

3か月時点で、認知機能の低下は定位放射線照射と全脳照射を組み合わせたとき(患者48人中44人、91.7%)よりも定位放射線照射のみのほうが少なかった(患者63人中40人、63.5%、差-28.2%、90%信頼区間-41.9%から-14.4%、P<0.001)。

全生存期間の中央値は定位放射線照射のみで10.4か月、定位放射線照射と全脳照射の組み合わせで7.4か月だった(ハザード比1.02、95%信頼区間0.75-1.38、P=0.92)。

全脳照射を加えたグループのほうが、治療開始から3か月後に認知機能の低下が見られた人の割合が高くなりました

生存期間には統計的に違いが見られませんでした

研究班は「全生存期間に差がないことをふまえると、この結果から、1個から3個の脳転移がありラジオサージャリーの適応がある患者に対しては定位放射線照射のみが望ましい戦略であることが示唆される」と結論しています。

(略)

◆参照文献

This entry was posted in *日本語 and tagged , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply