「脱原発」苦しい三反園氏 鹿児島知事就任3カ月 via 東京新聞

 七月の鹿児島県知事選に脱原発を掲げて当選した三反園訓知事が二十八日で就任三カ月を迎えた。当初は強い「民意」を背景に川内原発即時一時停止を九州電力に求めるなど強硬姿勢を示したが、次第にトーンダウン。新潟県知事選での原発慎重派の勝利で勢いを得たいところだが、地元県議会の最大会派・自民党との関係は悪化し、目玉の原子力政策を含めた県政運営は視界不良になりつつある。

 ▼実績強調

 「(厳しい姿勢で臨んだことで)安全対策は三歩も四歩も進んだ」。三反園氏は就任直後に川内原発周辺を視察、避難態勢が十分でないとして九電に追加対策を求めた。二度にわたる原発の即時一時停止の要請は拒否されたが、九電から定期検査から項目を増やした特別点検の実施や、避難用車両の追加配備などを引き出した。三反園氏は二十八日の記者会見でもこうした実績を強調した。

 九電は二度の要請を尊重した上で「しっかり特別点検することが県民の不安軽減につながる」(瓜生(うりう)道明社長)との立場だ。脱原発派にも「従来はやらない特別点検の実施にこぎ着けた」と評価する声もある。

 ▼空手形

 一方、公約として掲げた安全性を検証する有識者委員会の設置時期を今も明言しないなど、九月の定例議会で施策を打ち出さなかった三反園氏の姿勢に不信感を募らせる人も多い。

 一本化のため知事選への出馬を取り下げた反原発団体メンバーの平良(たいら)行雄氏(56)は「われわれの目標は川内原発の廃炉だ。停止要請しただけで終われば合意文書は空手形だ」と強調し、脱原発からの路線転換はあり得ないとくぎを刺す。

 原発容認派の自民党も三反園氏の行動に冷たい視線を投げ掛ける。再稼働に同意した議会の頭越しに行った停止要請に対する反発は強く、自民の中堅県議は「議会軽視も甚だしい」と憤る。

 ▼覚悟

 目玉であるはずの原子力政策で独自色を出しにくいのには、三反園氏が強固な支持基盤を持たない事情もある。新潟県知事に当選した米山隆一氏は野党三党が推薦したが、三反園氏は保守系無所属を掲げ「原発慎重派だけでなく、現職の再選を望まない保守票も支えになった」(関係者)という。原発の是非を問う住民投票の実施や早期廃炉といった提案は、原発容認派も多い保守票の離反につながりかねず、ハードルが高いとみられる。

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