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■1カ月の残業時間が200時間のことも
毎日新聞によると、男性は技術者で課長職。7月7日の期限までに規制委の審査手続きを終えなければ廃炉が濃厚とされていた高浜原発1・2号機の申請で使う、設備の詳細設計をまとめる仕事をしていたという。審査手続きの申請資料にミスが見つかるたびに規制委の対応に追われ、労働時間は1月から急増。2月の残業は約200時間と推定される。4月20日、出張先の東京のホテルの部屋で自殺しているのが見つかったが、自殺前日までの19日間の残業時間も、少なくとも150時間に上っていた。
高浜原発1・2号機は運転開始から既に40年を超えたが、例外として、安全審査や延長認可審査で規制委が合格と認めれば、1回に限り最長20年運転延長できる。規制委は2016年4月、新基準の審査で最大の焦点だった電気ケーブルの防火対策など、見直された安全対策の方針が新しい規制基準に適合していると認めたが、加えて6月には、設備の耐震性などが審査される「工事計画」を認可した。
■厚労省は原発再稼働の申請業務を、労基法の制限から外す
労働基準法で定める残業時間の上限は、通常は40時間。労使協定を結べば1カ月で45時間となっている。しかし、厚生労働省は2013年11月、原発再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に対応するための電力会社の業務については「公益上の必要により集中的な作業が必要」として、審査対応業務には年360時間の上限以外は適用しないとする通達を出していた。
対象となるのは、通達の出た時点で申請のあった原発で、高浜原発1・2号機は対象外。また、自殺した男性は課長職で「管理監督者」に当たり、労働基準法で定める労働時間の制限は受けないとされるが、毎日新聞は「会社側は残業時間や健康状態を把握、配慮する義務がある」と指摘している。
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「原発再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に対応するための電力会社の業務については『公益上の必要により集中的な作業が必要』」とは厚生労働省も原子力ムラの出先にすぎないということではにか。