国の原子力政策に反対する市民団体の集会が十一日夕、東京・霞が関の経済産業省前で開かれた。脱原発運動の象徴だったテントが八月に強制撤去されたため、庁舎前の沿道に約五百人の支援者が集まった。「テントは撤去されたが、運動を続けないと負けてしまう。しぶとく、諦めずに戦おう」と誓い合った。
テントは八月二十一日未明、強制執行で撤去され、現在は「国有地 関係者以外立ち入り禁止」の看板とフェンスで囲われている。
テントは東京電力福島第一原発事故から半年後の二〇一一年九月、市民団体代表の淵上太郎さん(74)ら有志十数人で設置した。
集会で淵上さんは「この五年間、国は何もしていないのと同じ。いまだ十万人の人々が避難生活を余儀なくされており、もっと被災者の声を聞いてほしい」と話した。もう一人の代表、正清(まさきよ)太一さん(78)は「私が生きている間に原発をやめさせたい」と訴えた。福島県郡山市の黒田節子さん(65)は「甲状腺がんの子どもが増えているのに県は原発事故の影響を認めない」と怒りを口にした。
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