福島第1原発を歩く 労働環境改善も「廃炉」遠く 新潟 via 産経ニュース

平成23年3月の東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所事故から4年あまり。廃炉に向けた作業が進む同原発を取材する ことができた。原発の地上タンクに保管される高濃度汚染水の処理施設増設や作業員向け大型休憩所が完成するなど、ハード面の改善が進んでいる。一方、汚染 水対策がいまなお手探り状態にあることやベテラン作業員の不足などの課題も横たわり、30~40年後の廃炉完了に向けた道は険しいと感じた。

◆汚染水と格闘

(略)  福島第1原発の廃炉作業で最大の懸案は止めどなく増える汚染水だ。毎日約300トンの地下水が原子炉建屋内などに流れ込み、「事故で溶けた核燃料を冷やす 水」と混ざって発生する。鉄板をボルトでつなぎ合わせたタンクから溶接した丈夫なタンクに置き換えるなど対策を強化するものの、リスクとは隣り合わせだ。

◆2時間で1年分

「最大は毎時520マイクロシーベルトです」。津波の爪痕が生々しく残る構 内を回り、水素爆発した外壁に穴が空き鉄骨がむき出しになった3号機にバスが近づくと、車内で東電社員が線量計の空間放射線量を読み上げた。520マイク ロシーベルトの場所に2時間いると、国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告している年間の人工放射線量1ミリシーベルト(1千マイクロシーベルト)を超 える。

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◆作業員確保も課題

鉄筋コンクリート9階建ての大型休憩所は食堂や売店などを備えた「非管理 区域」となっており、多くの作業員がくつろいでいた。全面マスク着用が不要のエリアは構内の約9割に拡大したといい、労働環境は改善している。とはいえ、 長期の廃炉作業を支える作業員の確保は簡単ではない。現在、1日平均で2年前の倍以上の約7千人要員が必要となる中、桑原副所長は「東京五輪工事の影響 で、(元請け企業が)人集めに苦労している」。

線量が高い現場で指揮をとれるベテラン作業員の不足も懸念材料だ。東電によると、26年度の作業災害は前年度の2倍の64人となり、その約5割が作業経験半年未満だ。

原発作業員を支援する民間団体、アプリシエイト・フクシマ・ワーカーズ(いわき市)代表で元東電社員の吉川彰浩氏(35)は「作業員の成果を評価・発信し 『やりがい』を感じてもらうなどのケアに力を入れてほしい。構内の労働環境改善だけでなく、住環境にも目を向けて将来設計をできるようにすべきだ」と訴え た。

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