原発ADR:栃木7000人申し立てへ 東電賠償の対象外 via 毎日新聞

東京電力福島第1原発事故をめぐり、栃木県北部の那須塩原市、大田原市、那須町の住民ら7128人が15日午後、東電に対し、総額18億5308万 円の損害賠償を求め、国の原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介手続き(原発ADR)を申し立てる。弁護団が同日午前、栃木県庁で記者会見して明らか にした。弁護団によると、東電がこれまで住民に賠償をしていない地域からの初の集団申し立てで、福島県浪江町(約1万5000人)に次ぐ規模という。

3市町では、原発事故で福島県中南部と同程度の空間放射線量を計測した地域があったが、東電による賠償の対象になっていない。今回申し立てるの は、東日本大震災が起きた当時に3市町に住んでいた住民と事故後に生まれた子供。東電に対して▽精神的苦痛への慰謝料(1人につき12万〜72万円)と生 活費増加分の支払い▽申立人への謝罪▽健康調査や除染実施のための基金の設立−−などを求める。今年3月時点での弁護団のまとめによると、申立人の内訳は ▽10代未満16%▽10代14%▽30代18%▽40代14%▽60代13%−−などで子育て世代やその子供たちが目立っている。

会見で、申立人の1人で小学生の子供がいる手塚真子さん(45)は「事故当時は何の情報もなく、庭先の線量も知らないまま子供たちに生活を送らせてしまった。東電から何らかの説明があると思ったが、4年たっても謝罪も説明もない」と話した。

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