「福島の人たちには逃げる勇気を持ってほしい」 鼻血問題の『美味しんぼ』著者が風評差別に反論! via 夕刊アメーバニュース

福島を取材で訪れた主人公が鼻血を出す描写が大バッシングを受けた『美味(おい)しんぼ』鼻血問題。

騒動から10ヵ月がたった先月、原作者の雁屋哲氏が沈黙を破り、ついに反論本『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を刊行。鼻血は決して風評ではないとする著者に、じっくりと話を聞いた。(第1回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/13/44879/)、(第2回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/19/45279/

PART3では、鼻血騒動に対する福島県民からの意外な反応について、そして福島へのメッセージをお送りする―。

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雁屋  僕は福島がすごく好きでね。本当は福島応援団のつもりで行ったんです。だから最初は内部被曝に対する考えも甘かったんです。だが、調べていくと原発事故以 後の食べ物は相当に汚染されていることがわかった。例えば、セシウムが25ベクレル含まれた食べ物を一日100g食べたとすると、それだけで事故前より 147倍も多く摂取することになる(注・日本分析センターが2008年に調査した日常食に含まれるセシウム137の福島市の結果から推定)。

でも、国が食品の基準値を100ベクレル以下と決めたことで、みんなが食品は100ベクレル以下ならいいと思ってしまった。それに食べ物の放射線量も問題だけど、そこで農作業している人たちの被曝はもっと深刻です。

―どういうことですか?

雁屋  土壌に放射性物質がすごく含まれてるでしょう。農作業をしていて土壌を耕すとそれが舞い上がる。田んぼの周りにいるだけで風が吹けば吸ってしまう。だから 食品の線量が低くなってもやっぱりダメだという結論に達したわけです。福島県庁だって僕が行った時には毎時0.5μSvあった。避難指定にすべきですよ。 土地の汚染はいくら除染したって取り切れませんから。

―住民の中には被曝は怖いけど、いろんな事情で避難しない人もいます。どうしたらよいでしょうか。

雁屋  本当はここに住みたくないと声を上げることです。かなりの人が声を上げたら、日本人はみんな絶対に反応して応援します。外からなんとかしろと言ってもダメ なんです。ある県民が福島の人は従順でおとなしいと言っていましたが、自分の命がかかっているのだから反抗すべきです。

僕がこういうこと言うと福島差別だって言う人がいるけど、それは逆。福島を差別している人だから「年間20mSvでも住め」なんて平気で言えるんだ。もし 福島県の人たちを自分と同じ人間だと思ったら、「福島以外に住む僕たちは年間1mSvなのに、なぜあの人たちは20mSvで平気なんだ」と疑問を持って言 うべきでしょう。

[…]

―今、意見が違うと対話もできない風潮になっています。

雁屋  意見が食い違うだけでなく、福島の真実を語ると社会の裏切り者みたいな空気がある。みんなの和を乱すようなことするなって。とにかく僕はきちんともう一度 議論したい。みんながいろんな意見を言う。それをしないで縮こまっちゃって、特に福島では放射能のことを何か言うと「おかしい」って言われる。

でも自分たちの命がかかってることなんです。福島の人たちには声を上げてもらいたいし、福島から逃げる勇気を持ってほしいと思います。

全文は  「福島の人たちには逃げる勇気を持ってほしい」 鼻血問題の『美味しんぼ』著者が風評差別に反論! 

 

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