安倍総理大臣は、日本を訪れているイギリス王室のウィリアム王子とともに福島県を訪れ、原発事故の影響で運動不足になりがちな子どもたちのために整備された施設を視察して、子どもたちと交流しました。安倍総理大臣は、日本を訪れているイギリス王室のウィリアム王子とともに福島県を訪れ、28日午後、本宮市にある子ども向けの運動施設を視察しました。
この施設は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で屋外で遊ぶ機会が減り、運動不足になりがちな子どもたちに、安全に楽しめる場所で思いきり体を動かしてもらおうと整備されたものです。
安倍総理大臣とウィリアム王子は、屋内の施設で子どもたちと一緒にボールを投げあって遊んだり、屋外のトランポリンで遊ぶ子どもたちに笑顔で話しかけたりしていました。[…]
福島県産の食材で夕食会
子ども向けの運動施設を視察したあと、安倍総理大臣とウィリアム王子は郡山市内の旅館に入り、浴衣に着替えて、福島県産の食材で作られた和食や地酒を味わいながら懇談しました。
安 倍総理大臣は冒頭、「殿下の訪問を政府を挙げて歓迎する。今回の殿下の福島への訪問は、福島県民だけでなく、東北に住む被災者の方々に大いなる勇気を与え ていただいた。福島の食材を味わっていただくことで、風評被害を払拭(ふっしょく)するうえで大きな力になる。浴衣も大変よく似合っている」と述べまし た。
これに対し、ウィリアム王子は「日本国民の皆様、政府の皆様に、これだけ友好的に温かく迎えていただいたことに心からお礼を申し上げたい。今回の伝統的な日本食の晩さん会は特筆すべき出来事だ」と述べました。
安倍総理大臣とウィリアム王子の会食は1時間半余りにわたり、被災地の復興支援の現状のほか、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどを巡って意見を交わしました。
なぜ被災地を訪問
王子の訪問先は、日本にあるイギリス大使館が提案したさまざまな候補地の中から選ばれました。
大使館では、フェイスブックやツイッターを利用し広く市民からの意見も募りました。
その結果、圧倒的に被災地に行ってもらいたいという声が多く、大使館の職員も被災地の訪問を強く薦めました。
震災直後、被災地でイギリス大使館が行った救援活動の指揮に当たったマイケル・シアラーさんは、やがてイギリスの王位に就くウィリアム王子の将来を見据えて、日本人の思いにいちばん近づける場所に行くべきだと考えたといいます。
シアラーさん「王子にとって初めての来日で、日本との関係をいかに築くかは非常に重要です。王子は、日本のことをできるかぎり学んで帰りたいと思っています。震災から4年という節目を前に被災地に行くのは、極めて自然なことでした」と話しています。続きは 英ウィリアム王子 首相と福島視察