福島・飯舘中 家庭訪問を再開…見合わせる学校もvia 読売新聞

 東京電力福島第一原発事故で全村避難が続く福島県飯舘村の村立飯舘中学校は今夏、避難後に休止していた家庭訪問を再開した。避難生活の影響で保護者と接する機会が減る一方、被曝ひばくの不安による子どもたちの運動不足やスマートフォンを巡るトラブルなど、家庭との連携が必要な問題は多い。

 ただ、手狭な仮設住宅を訪れることへの遠慮から、他の自治体では家庭訪問再開を見合わせる学校もある。

 「おはようございます」。7月31日朝、福島市の仮設住宅で、2年生の女子生徒が住む一室を訪れた飯舘中の玉野寛子教諭(35)は戸口から声をかけた。「先生、暑いですから」という母親の招きで室内に入り、約20分間、夏休みの過ごし方などを話し合った。「バス通学や都市部での暮らしなど、生徒たちは村にいた頃とはまったく違う環境にいる。家庭に伺うことで、それを実感できる」という。

 福島市内にある同校の仮設校舎には、同市など3市町から105人の生徒が通う。避難前は家庭訪問のほか、通学路の交通安全指導や学校周辺の草刈りなどで保護者と日常的に触れ合っていたが、生徒宅が遠くなった避難後は激減。目黒満校長は「PTAの会合も開けない状態」と明かす。

 一方、避難生活の長期化や外遊びを控える家庭が増えたことで、子どもたちは運動不足になっている。5~17歳の肥満傾向児の割合を調べた文部科学省の全国調査で、福島県は多くの年代で全国最高値を記録した。

 また、緊急時に連絡できるようにスマホを持たせる保護者が増加。同校では、無料通話アプリの利用を巡って生徒同士がもめるトラブルも起きている。家庭訪問再開には「学校での指導だけでは限界がある」(村教委)との判断もあった。

 読売新聞が、役場ごと避難している他の6町村の小中学校に取材したところ、家庭訪問を再開したのは17校中12校で、5校は見合わせたままだ。

 会津若松市に仮設校舎がある大熊町立大野小では「狭い仮設住宅や借り上げ住宅を訪ねれば、家庭に迷惑をかけることになりかねない」と、学校での個別面談で代用。児童の自宅周辺を訪れ、遊び場や通学路の危険箇所を調べている。富岡町立富岡第二小は、給食の試食会などを行い、保護者との交流を増やしている。

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