福島県田村市で除染を請け負った業者が、除染で出た土を住宅近くの道路脇に勝手に埋めていたことが分かり、環境省と田村市が詳しく調べています。
福島環境再生事務所によりますと、環境省が設置している通報窓口に、今月16日、「去年10月、田村市都路町の除染で出た土を許可も取らずに住宅の近くに埋めた」と、現場で働いていたという作業員から情報が寄せられたということです。
田村市と環境省が調べたところ、情報どおり、住宅の敷地から数十メートル離れた道路脇の草地に深さおよそ1メートル50センチの穴が掘られ、除染で出た土、あわせて520キロ分が44の袋に分けて埋められていたということです。
現場は避難指示が出ていない地域で、作業は田村市が発注し、見つかった土はすでに回収され、本来の保管場所に運ばれたということです。
田村市によりますと、袋を埋めた業者は不正を認めた上で、「追加の作業が発生し処分場所に困った」などと話しているということで、環境省は事業者の名前を公表するかや、どのような処分を行うかは今後、検討するとしています。
除染をめぐっては、去年、一部の業者が除染で出た土や草木を川に捨てたことなどが問題となり、環境省が現場の監視員を大幅に増やしたり、情報を通報する窓口を設けたりする対応を取りましたが、その後、実際に不適切な対応が見つかったのは初めてです。
動画は 除染で出た土 道路脇に埋める