福島県沿岸部でパート従業員の求人難が続いている。福島第1原発事故に伴う域外避難で女性の人数自体が減っているほか、東京電力から賠償金が出ていることに伴う就業意欲の低下も要因として指摘されている。人手不足で営業時間短縮に追い込まれる小売業が相次いでおり、地域経済への悪影響が懸念されている。(野内貴史)
福島県広野町の和食料理店「みかさ」は現在、営業を平日のランチ時間に限っている。パートが集まらず、休日、夜間は配膳係の人の手当てができないためだ。
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いわき市内も傾向は変わらない。労働力確保に向けて民間事業所が時給を引き上げているため、待遇で劣る市の臨時職員採用への応募も減っているという。
同市に事務所を置く人材派遣会社の担当者は「東電からの就労補償、精神的賠償で就業意欲が薄れている可能性もある。まだ収束しない原発近くで働くことへの抵抗感も根強い」と指摘している。
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この記事になんとなく疑問を感じるのはなぜだろう。冒頭の要約に東電からの賠償金が問題の一因と書かれているが、それは記事の一番最後に引用される人材派遣会社の担当社のひとことのみに基づいているようだ。賠償金が「就業意欲」を「低下」させていることも確かにあるだろうが、「収束」していない原発のそばであることと並列に取り扱うのに疑問を禁じ得ない。さらに、いくら自給が以前より高くなったとはいえ、女性のパートだけが求められていることから賃金格差の問題もうかがえる。