首相官邸前や国会周辺で毎週金曜夜に脱原発を訴えてきた集会が2日、100回目を迎えた。ピーク時に約20万人(主催者発表)に達した参加者は最近では数千人程度になっているが、呼び掛け人の一人で「首都圏反原発連合」のイラストレーター、ミサオ・レッドウルフさんは「声を上げることが大切。やめる理由がない限り続けていく」と意気込む。
最初の集会は、東京電力福島第1原発事故から1年後の2012年3月。関西電力大飯原発(福井県)の再稼働方針に反対するために呼び掛けた。集まったのは約300人だった。
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約20万人が集まったのは12年6月29日。原発事故後、定期検査を終えた原発では初となる大飯3号機の運転再開を前に「再稼働反対!」のシュプレヒコールが響き、歩道を埋め尽くした人波は車道にまであふれた。抗議のうねりは全国に広がった。
当時の様子を「現象」と呼ぶミサオさんは「私たちは場所やルールを用意しただけ。現象を起こしたのではなく、起こったという感じ」と振り返る。
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現在の参加者は1500~3000人。ミサオさんは「暮らしの中で熱が冷めていくのは人のさが。再稼働を進める自民党政権に無力感を覚えた人もいるだろう」と冷静だ。「人が集まらなかった3・11以前を知っているだけに免疫があるんです」と苦笑する。
今後、原発は各地で再稼働ラッシュが予想される。当面は九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働に警戒を強める。「大勢で集まって、見える形で抗議するのが最も効果的。これからもこつこつ訴えていきたい」(共同)
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