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【1リットルあたり2億3000万ベクレル】
過去6ヶ月間で最悪の事態だ、とニューヨーク・タイムズ紙は報じている。2011年3月の 事故以来、最も汚染濃度が高い水が漏れ出した。漏れ出した汚染水と同じタンクの溝から採取した水は平均で、1リットルあたり2億3000万ベクレルという 超高濃度の放射性物質を含むものだった。汚染水に含まれるストロンチウム90は、日本での飲用水としての基準の380万倍もの濃度だったという。ストロン チウム90は、カルシウムと同じように体内に取り込まれ、骨のガンや白血病を引き起こすとされている。
【海に流れ出す多量の汚染地下水】
東電は、事故基に流れ込む多量の地下水処理に苦労している。汚染水が海に流れ込むのを防ごうと水を組み上げ、敷地内にいくつもの貯水タンクを建てそれを貯 蔵している。同社はこれまで、約34万トンの汚染水を貯蔵したが、これはオリンピックで使用されるプール135杯分以上だ、とニューヨーク・タイムズは報 じている。
しかし、それ以上に深刻なのは、チェックを受けずに流れ出る汚染された地下水だ、と同紙は懸念している。ブルームバーグによ ると、このような汚染された地下水が毎日約300トン海に流れ出しているという。この地下水について東電の調査では、今回の汚染水漏れの現場よりさらに海 近い場所で調査された値だが、ストロンチウム90が1リットルあたり500万ベクレルだったという。東電は、この数字を発表するまでに5ヶ月かかった。こ のことに対しても、非難が高まっているようだ。
【東電一社では抱えきれない問題】
東電が事故処理の問題を認識するのに時間がかかり過ぎる、施設内部の状態についての情報がほとんど公 表されていないなどの厳しい批判を、ニューヨーク・タイムズ紙が取り上げている。CNNは、安倍晋三首相が、汚染水処理について東電一社が抱えるには問題 が大きすぎるとの国内外から不安の声が強まったため、政府も積極的に関わるとの発言したことを取り上げている。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙は、日本 政府は今だ、事故処理の大部分を東電に任せっきりだ、と指摘している。
全文は“東電任せは限界” 福島第一原発の汚染水漏れ、海外メディアが警鐘
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