東電、国会事故調にウソ 「原発内真っ暗」→調査断念 via 朝日新聞

東京電力が昨年2月、福島第一原発1号機の現地調査を決めた国会事故調査委員会に、原子炉が入る建物の内部は明かりが差し、照明も使えるのに、「真っ暗」と虚偽の説明をしていたことがわかった。国会事故調は重要機器の非常用復水器が、東電の主張と違って地震直後に壊れた可能性があるとして確かめるつもりだったが、この説明で調査を断念した。

国会事故調は解散しているが、現地調査の責任者だった田中三彦元委員(元原子炉設計技術者)は東電の虚偽説明で調査を妨害されたとして7日にも、衆参両院議長に非常用復水器の調査実施を申し入れる方針。

国会事故調は、2011年3月11日の地震発生直後に1号機原子炉建屋の4階で「出水があった」との目撃証言を複数の下請け会社の労働者から得た。

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これに対して東電は、昨年2月28日午後7時ごろ、玉井俊光企画部部長(当時)らが衆議院第2別館を訪問。

田中元委員らに、ところどころ明かりの差す4階の映像を見せながら、この映像の撮影時は、原子炉建屋に放射性物質の拡散を防ぐカバーをかける前だったので明るさがあると説明。そのうえで「今は真っ暗だ」「照明もついておりません」と話した。

田中元委員は最終的にこの「今は真っ暗」を理由に調査を断念した。

ところが、実際は、映像の撮影日はカバーをかけた4日後だった。カバーは太陽光を10~16%通すので、物を搬入する穴があり、天井が爆発で破損してい る4階に明かりが差していた。さらにカバー内側の天井には強力な水銀灯が取り付けられ、11年10月28日から使用可能になっており真っ暗になり得ないの に真っ暗と虚偽の説明をした。

東電広報部は説明に誤りがあったと認めたうえで、「何らかの意図を持って虚偽の報告をしたわけではない」と話している。

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