(抜粋)
被告「震災後、職場がかなり厳しい状況にありました。日々のストレスがたまっていたものと思います。華やかな会場に気分が高揚し、判断が甘くなったと思っております」
震災直後は残業が月100時間を超え、その後も周囲に娯楽施設一つない環境で過ごす生活だったことを説明する。被告はうなだれたまま続けた。
「トイレも共同で、備え付けのベッド以外に座る場所さえない4畳半の宿舎と、職場を往復する毎日でした。いつの間にかストレスがたまり、冷静な判断ができなくなっておりました」
「皆さまにご迷惑、ご心配をかけたことを実感し、二度と犯罪行為を行わないと決意を新たにした次第です」という“会見答弁”に傍聴席も慣れたころ、にわかに被告が感情をあらわにする。現行犯逮捕された夫の姿を目の当たりにした、妻の存在について問われた時だった。
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