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11月11日、福島事故の惨状に衝撃を受け結成された市民団体「泊原発の廃炉をめざす会」(以下、廃炉の会)が、北海道電力を相手取り泊原発1~3号基の廃炉を求める訴訟を札幌地裁に起こした。
実はこの泊原発、あまりよく知られていないが、非常に危険な原発なのだ。例えば泊のすぐ西、日本海上にユーラシアプレートと北米プレートの境界があり、震 度7以上の大地震が相次いでいる。また、泊が位置する積丹半島の西方沖15kmの日本海海底には長さ60~70kmの活断層が発見され、想定される地震の マグニチュードは7.5級。ところが、いずれの知見も建設当時の安全審査基準には組み入れられていない。
さらに、沸騰水型の福島第一と違い加圧水型原子炉を使用する泊は、特に蒸気発生器の細管破断が問題視され、20年以上運転を続けている古参の1~2号機は原子炉容器の脆性破壊が危惧されているのだ。
続きは北海道泊原発がヤバい!
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◆「昔、原発があった」と早く言えるように
福島の事故が起きるずっと前から地元で反原発の活動を続けてきた草の根運動家、斎藤武一氏。
泊村からわずか5km離れた岩内町に生まれ育った斎藤氏は、原発の温排水の影響を調べるため、30年以上も岩内港の海水温を測ってきた。温排水のせいで海 水温は平均0.3度上昇している。0.1度の変化で魚は生息地を変えるので、今では特産品だったスケソウダラが捕れなくなった。’90年に岩内で見つかっ た突然変異のバラを世間に訴え、北海道の市町村別がん死亡率を自力で調べて死亡率1位が泊で2位が岩内と知り、さらに原発近隣区域の雨と乳がん死の関係を 探ると年間降雨量が最も多い小樽市で乳がん死亡率が最も高いことを突き止めた(放射能の影響を知らせる専門の調査はまだない)。まるで草の根の科学者のよ うな人だ。「廃炉の会」では、原告団の代表を務めている。